東北6県と新潟県に送配電を行う東北電力が、AIによる送電鉄塔「腐食劣化度診断システム」の運用開始
システムにより、腐食劣化度判定の個人差解消と、補修工事計画策定の効率化を実現
28日、東北電力株式会社(宮城県仙台市)が、AIを活用した送電鉄塔の「腐食劣化度診断システム」の運用を開始したと発表した。
このシステムは、スマートフォンやドローンなどで撮影した送電鉄塔の画像を基に、AIがその腐食劣化度を瞬時に判定するもの。東北電力が株式会社SRA東北(宮城県仙台市)と共同で開発し、電力業界として初めて運用することになった。
東北電力によると、システムの導入によって、作業員の目視点検で行われていた従来の腐食劣化度判定時の課題であった、判定の個人差を解消することができる。
またシステムは、画像の撮影時にGPSによって位置情報を自動取得し、撮影した送電鉄塔の情報(位置、線路名等)をデータベースに送信する。各鉄塔の腐食劣化度の一元的管理、および送電線路全体の鉄塔の腐食傾向を確認することが容易となることから、腐食状況を的確に反映した合理的な補修工事計画を、短時間で策定することが可能となる。具体的には、これまで約25時間を要していた計画作業を、約4時間で実施することができるようになるという。
東北電力は、「本システムの活用を通じて、送電鉄塔の保守業務に係る品質向上と効率化を図るとともに、引き続き、様々な技術や知見を活用しながら、電力の安定供給にしっかりと取り組んでまいります」とのコメントを出している。