新潟県十日町市にロシア前衛芸術家のイリヤ&エミリヤ・カバコフ夫妻の「手をたずさえる塔」が完成
新潟県十日町市にある現代美術を収蔵した美術館・郷土資料館、まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」付近で11日、旧ソビエト連邦出身のロシア前衛芸術家、イリヤ&エミリヤ・カバコフ夫妻の作品「手をたずさえる塔」のオープニングレセプションが行われた。
この日のオープニングレセプションで、大地の芸術祭実行委員長を務める十日町市の関口芳史市長は「これでイリヤ&エミリヤ・カバコフ夫妻の3つ目の大きな作品ができた。『カバコフワールド』のようになっているが、カバコフさんの精神が結実したのではないか。来年夏に8回目の大地の芸術祭が行われるが、世界の皆さんに評価してもらえる時期が来るというだけでもワクワクしている」と挨拶した。
大地の芸術祭に古くから関わる北川フラム氏は「この塔は実験室という雰囲気や、宇宙と交信しているというイメージもある。『何か不思議な建物があるな』と興味を持ってもらいたい」と話した。
イリヤ&エミリヤ・カバコフ夫妻はレセプションに際して「現代は手をたずさえるということがないがしろにされている。あらゆる人種、国籍の人が他者の意識を尊重することが大切だ」とのメッセージを送った。
「手をたずさえる塔」は今年6月から着工し、このほど完成。内部は吹き抜けで、小さな美術館のような空間になっており、イリヤ&エミリヤ・カバコフ夫妻の絵画が飾られている。見学は年内では土曜と日曜日のみ。また、塔上部のモニュメントは年内の土曜、日曜日の日没後に青、緑、ピンクなど6色にライトアップされる。ライトアップは21時消灯となる。