新潟県五泉市議会議員の安中聡氏が五泉市を相手取り提訴、議会での質問妨害に対する損害賠償を請求
新潟県五泉市議会議員の安中聡氏は13日、訴訟代理人の弁護士と支援する住民らとともに新潟地方裁判所を訪れ、五泉市を被告とした損害賠償請求の提訴を行った。安中氏は五泉市議会において、質問や発言の打ち切りされることが相次ぎ議員としての権利が侵害されたとし、五泉市に対して140万円の損害賠償請求を行うもの。
安中氏は2012年3月から2021年2月までの9年間、五泉市議会において市議会議長の林茂氏が理的な理由がなく、質問が打ち切られることが相次いだと訴えている。質問や発言が妨げられた回数は、明確なものだけでも80回以上あるとし、市民の代表として仕事ができないとし提訴したもの。またこれまでに決議された議会への出席停止処分の一部については、懲罰審査委員会の佐藤浩議員が関与していることにも触れた。
安中氏はこれまで、五泉市政および五泉市議会の運営に対して、政務活動費や議員報酬の見直しについて頻繁に問題提起を行ってきた。安中氏の発言や行動に対し、五泉市議会において出席停止処分や辞職勧告決議決が繰り返されている。2013年には出席停止処分や辞職勧告決議により名誉が棄損されたと新潟地方裁判所に提訴したが訴えは却下となった。
代理人弁護士の齋藤裕氏は、2020年11月25日最高裁大法廷判決において、地方議会における出席停止処分が司法審査の対象となることが明らかになったことを受け、今回の提訴に至ったことを説明。安中氏の発言が度々打ち切られることは、住民自治の本審に反するも可能性があり、同最高裁判決後、初めて「質問妨害」の法的責任を問うものであり重要な意義を有すると話した。
安中氏は「議員としての信念のもと活動し、市民の声を届け、また広報やブログなどで伝えてきた。しかしそれが『安中はけしからん』となり、出席停止処分や質問の途中で遮られることが度々あった。傍聴している市民からもおかしいのではないかと声があがり、また最高裁の判例が変わったということで、この機会に問いただすことにした」と話した。
さらに「他の市町村議会でも、一人で頑張っているがゆえに同じようなことが起っているのではないかと考えられる。市民、国民から委託を受けて質問をしているわけであり、少数派でも意見が届くようにしたい」と、訴訟に対する思いを語った。