新潟県の仏壇組合による「五百年プロジェクト」の試作品が、東京で販売
仏壇業界における、厳しい経営環境と後継者難を打破
(本記事は、12月4日に一部を訂正しています)
新潟県内の仏壇産地「三条、長岡、新潟・白根」 が連携し、伝統産業の活性化を目指す「五百年(いおとせ)プロジェクト」。このプロジェクトによって完成した仏壇の新商品の試作品が12月、東京で販売される。3日、プロジェクトを推進する新潟県中小企業団体中央会が発表した。
仏壇は、県内に13産地16品目ある、国(経済産業省)指定の伝統的工芸品の一つ。三条、長岡、新潟・白根の三産地が、それぞれ異なった歴史的起源による技術を今に伝えているものの、住宅事情や宗教観等のライフタイルの変化、安価な輸入品の増加により仏壇需要は減少。仏壇関連事業者は、厳しい経営環境と後継者難に直面している。
このような状況を打破すべく、中央会が県内の仏壇組合(三条・燕・西蒲仏壇組合、長岡地域仏壇協同組合、新潟仏壇組合、白根仏壇協同組合)からメンバーを選抜し、結成されたのが「五百年プロジェクト」。「五百年(いおとせ)」は、長い年月という意味のある古語。また仏教は、500年を盛衰の周期としており、プロジェクトをきっかけに新潟の仏壇業界を盛り上げようとする気持ちも込められている。
プロジェクトでは、仏壇の伝統的な技術を活かしながらも、デザイナーの指導を受けて開発した今の時代にマッチする新商品を開発。その試作品を、12月に東京で販売する。
販売されるのは、「伝統の技 あたらしい形―新潟県仏壇産地展―」と題する特別展で、場所は青山スクエア(東京都港区赤坂8-1-22)。期間は13日から19日まで。
また新商品(試作品)の概要は、次の通り。
- 長岡仏壇が制作した日本古来の深い赤色と黒色に塗り上げた菱形の小物入れ(左上、右上の写真)
- 白根仏壇の地元、白根の大凧と新潟の雪の結晶をイメージした漆塗りの六角形のアクセサリートレイ(右下の写真)
※左下の写真は、小千谷の「錦鯉」をイメージした箸置き(既存商品)。