帝国データバンク新潟支店が「新潟県企業倒産集計 2019年11月報」を公表
11月の県内の倒産件数は3件、負債総額は8億5600万円
帝国データバンク新潟支店は「新潟県企業倒産集計 2019年11月報」を公表した。それによると、11月の県内の倒産件数は3件、負債総額は8億5600万円だった。前月(倒産件数12件、負債総額15億1600万円)、前年同期(倒産件数7件、負債総額10億1000万円)と比べて、いずれも減少した。
倒産した3件の業種は、製造業、小売業、サービス業で、いずれも販売不振が倒産の理由(破産が2件、特別清算が1件)。
規模別では、5000万円以上1億円未満、1億円以上5億円未満、5億円以上10億円未満がそれぞれ1件。業歴別では5年~10年未満が1件、30年以上の老舗企業が2件で、老舗企業の倒産は2016年9月から39か月連続で発生したという。
このうち、(株)あいでん(三条市)は、1966年(昭和41年)3月創業の各種食料品小売会社。「生鮮市場 あいでん」の名称で、本店を含め、三条市内で3店舗展開し、値頃感のある品揃えで地元固定客を多く抱え、2006年3月期には年売上高約17億円を計上したという。
しかし、県内最大手の食品スーパー、ドラッグストアなどの進出により競争が激化。売上高は漸減傾向をたどり、最近の売上高は10億円程度まで減少。採算的にも営業損益段階での欠損形状が続くなど、収益は低迷していた。また今年10月の消費増税にさいしても軽減税率対応レジを導入できなかったとみられるなど、資金繰りのタイト感が強まっていた。そして収益回復のメドが立たないなか、11月末の決済が困難となり破産となった。負債総額は約6億7200万円。
(株)プロジェクトゼロ(新潟市中央区)は2011年(平成23年)11月の設立。量販店や携帯キャリアショップ向けの携帯電話の販売支援人員の派遣業務を中心に、各種イベントの請負も手掛けていた。群馬県、長野県、宮城県、愛知県に拠点を開設し、最盛期では1億7000万円程度の年売上高を計上していたものとみられるという。
しかし、競合による仕事の減少などから売り上げが伸長しない状況が続き、直近の2018年10月期の年売上高は約1億6000万円程度と伸びは見られず、営業損益段階から欠損を余儀なくされていた。また、拠点開設による設備投資負担も重荷となり、苦しい資金繰りが続いていた。2019年10月期に入ってからも売り上げの減少は続き、支払のメドが立たなくなったことから、2019年7月末までに事業を停止、破産となった。負債総額は約1億300万円。