【書籍紹介】米に生きる男 野上茂の半生(幻冬舎メディアコンサルティング)
今、日本の米が危ない―米に半生を掲げた男の「米百俵」
日本の農業は衰退の一途をたどっている。日本人の米摂取量は、50年前の半量に過ぎず、生産者数の激減、就農者の高齢化、耕作放棄地の増加、中山間地の過疎化など問題は山積している。そんななか、「今の辛抱が将来の利となる」「人の利のために働け」と、小泉純一郎政権下で全国区となった「米百俵」の精神を胸に、米に生きた男がいた。野上茂氏だ。
野上氏は1949年、新潟県長岡市で野上米店の長男として生まれる。県立長岡商業高等学校、日本経済短期大学(前亜細亜大学短期大学部)卒業後、家業に就く。その後、1988年に株式会社野上米穀代表取締役社長に就任し、現在、同社会長。
その間の功績は高く評価されており、1996年に、『全国優良米穀店コンクール・全国米穀協会会長賞』を受賞したほか、2001年に、『全国優良米穀店コンクール・農林水産大臣賞』を受賞している。また、『二合キューブ』『百グラムスリムパック』など、数多くのアイディア商品を世に送りだしている。このほか、小中学校で日本の米と食文化の大切さを説くなど、地域貢献活動も行っている人物だ。
四六判・208ページ。価格は1200円+税。著者は、野上茂氏と、高嶋ゆかり氏。高嶋氏は、中央大学卒業後、出版社勤務を経て帰郷。新潟市で、書籍・雑誌の企画編集に携わっている。著作に、「横綱」(新潮社)、「桃花鳥」「糜爛」「奇形」(玄文社)などがある。現在、(株)第一印刷所勤務。