新発田市で「学習塾らしくない学習塾」を運営する、SCアカデミーの取組み
学んでほしいのは、ただの知識よりも、頭の使い方
「知識ではなく、頭の使い方を学んでもらいたいんです。日常生活で活かすことが多いのは、学校で学ぶ知識ではないと思いっています」。
このように話すのは、学習塾「SCアカデミー」代表の、齋藤翔太氏だ。同塾は、新発田駅東口を出て徒歩2分の場所に、約1年前にオープンした、一見すると「学習塾らしくない」学習塾である。
なぜなら、塾の空間は、まるでカフェだ。道に面する壁は一面ガラス張りで、外からも室内がよく見える。ここが塾だと知らない人が見たら、思わずメニューを探してしまいそうなほど。「勉強するのは、なにも学習机でなくて構わないと思うんです。大学生などは、よくカフェで勉強しているじゃないですか。大事なことは、机や黒板などではなく、自分のやりやすい場所で、まず勉強する習慣をつけることではないでしょうか」(齋藤氏)とのことである。
ただSCアカデミーは、中高生を対象とする学習塾だ。入学したら自発的に学ぶことが求められる大学生と違い、生徒を机に座らせて、「手取り足取り」的な指導も、必要とされるのではないだろうか。また、お子さんの勉強の進み具合を常に心配している、親御さんへのサポートも。
もちろん学習塾だから、生徒が勉強でつまづいているところなどについて、教えるべきことはちゃんと教える。しかし生徒が、まず教えてもらおうとする前に、自分で頭を使って調べたり、考えたりして勉強していこうと思えるようになる仕組みが、SCアカデミーにはある。
それは、「ゲーム感覚」だ。90分一コマの授業は、基本的にパソコンによる授業と演習問題によって行われ、生徒の理解度が十分でないと、次に進めないようになっている。また、この授業ソフトを使って学んでいる、全国の生徒の中での順位もハッキリわかる。これによって生徒は、「勉強をテレビゲームさながら、どんどんクリアしレベルアップしていく楽しみ」を持ち、自発的に頭を使い勉強していくようになるそうだ。
SCアカデミーでしかできない、生徒とのコミュニケーション
しかしパソコンで授業が済んでしまうのなら、「教える」という側面からは、とても楽なように思える。授業ソフトを通じて、生徒が苦手な部分やつまづいているところなども、一発で、データとして見られるようになっているそうである。それを見て、苦手なところだけを少しサポートしてあげるだけ、ということなのだろうか。
もちろん、そんなことはない。授業ソフトが示す、生徒の苦手なポイントは、あくまでデータ。齋藤氏が言うには、「生徒本人ときちんと向き合うと、データには表れないポイントでつまづいていたり、演習問題は解けていても、本当は理解が不足していることがわかったりする」とのことだ。決して、生徒の勉強をパソコン任せにしておくわけではない。生徒とのコミュニケーションは、どの学習塾よりも密に取る。
3名の講師は、SCアカデミーのカフェのような空間で、生徒と気軽に話す。それは、大人同士がカフェで気兼ねなく話している様子さながらだ。こうして生徒とコミュニケーションを取っていると、例えば親に言えないことがあったり、生活リズムが狂っていたりということも、よくわかる。普通の「先生と生徒」という関係では、生徒が話しにくいようなことまで話ができるから、生徒の勉強が進まない、勉強以外の潜在的な理由まで、SCアカデミーでは対処できるというのだ。
また親御さんにも、授業が終わったら必ずその時の様子や勉強でつまづいたポイントなどを、メールで報告。時には、「お子さんに、○○なアプローチをされると喜ぶと思います」というようなことも、伝えるそうである。親御さんからは、「うちの子どもをよく見てくれている」と、喜んでもらえているそうだ。
生徒が、自発的に頭を使って勉強する。その姿勢を、SCアカデミーでしかできない「密なコミュニケーション」で後押しする。1教室をオープンして1年余りのSCアカデミーには、他の学習塾が当たり前に誇示するような合格実績は、まだ少ない。
しかしSCアカデミーのポリシーは新発田で評判を呼び、生徒自身や親御さんの希望による入塾が増えてきた。塾は、勉強以外にも大切なことを、もっと教えてあげられる。「将来は、それをもっと広めていきたいですね」。齋藤氏は話していた。
【株式会社SCアカデミー】
住所/新潟県新発田市豊町2-10-23
電話/0254-42-9042
代表取締役/齋藤翔太
Webサイト/https://scacademy-shibata.com/