4年連続、就職率100%を誇る新潟工科大学の強みとは?
4年連続、就職率100%という大きな実績を積み上げる新潟工科大学。それを支えているのは、学生の成長を最大限に引き出す独自の教育プログラムだ。
プログラムにはいくつかの特徴がある。そのひとつが、学生が主体的にカリキュラムを選択できる学びの仕組みだ。1年次に工学の基礎を学んだ後、専門分野を深く学んだり、広い分野を総合的に学んだりと、目的に合わせて自由に選択できるシステムを4年前から採用している。これにより、さまざまなモノに触れながら興味ある分野を選択できようになり、学生の可能性は大きく広がったのだ。また、3年次に選択する専門コースは、学生のニーズや企業の求めるニーズに合わせて都度改編しており、今年度は新たに「素材科学」「食品工学」「都市防災」の、3つのコースを加えている。
1人に1台タブレットを配布して、学修成果の可視化を行なっていることも特徴のひとつ。平成26年に、文科省の「大学教育再生加速プログラム」に採択され、システム(タブレット)を導入した。学生は学期のはじめに目標を設定し、何を履修したか、どんな試験を受けたかなどを入力することで、期末までにどれだけ成長したかをチャートで確認できるようになった。この自己評価サイクルを繰り返すことで、次に取り組むべきことが明確になるとともに、社会人として働く上での基礎力を身に付けることができるという。
そのほかにも、学生の意欲を高める一風変わった制度がある。それは昨年10月に導入した、企業や地域からの寄付金を基にした給付型奨学金制度「未来応援プログラム」だ。一定の学力基準をクリアし採用されると、1年間、毎月5万円が学生本人に支給される。その使い方は自由で、プログラミングを学ぶためにパソコンや書籍の購入に充てる学生もいれば、海外の建築物に触れるための渡航費用として利用する学生も。将来の目標に向けて努力する学生を、地域一体となって支援する仕組みがそこにある。
さらに、企業との繋がりが深いという最大の強みを生かし、企業の担当者と直接話ができる対話型企業技術・要素会や、企業が抱える課題をテーマに社員と一緒に取り組む工学プロジェクト、職業実習(インターンシップ)など、企業と接する場を多く設け、実践的な学びを行っている。企業と直接的に関わることで、学生はイメージを掴みやすく、より良い就職へとつながっているのだ。
こうした取り組みによって、100%の就職率が実現しているというわけだ。企業が求めるニーズに対応できる人材を育てるため、時代にあわせた教育を柔軟に取り入れる新潟工科大学。これからの動向にも注目が集まる。