朝とれたての新鮮な卵が並ぶ燕市の自動販売機
活性酸素を抑制するアスタキサンチンを含有した赤卵が話題
燕市の道金地区には一風変わった自動販売機がある。コインロッカーを思わせるその自販機の中には、朝とれたての新鮮な卵がズラリと並んでいた。
そんな自販機を運営するのは、燕地域で50年以上にわたり養鶏場を営む有限会社ツバメファームだ。産直で新鮮なものを届けたいとの思いから、20年前に養鶏場のすぐ側で直売をはじめたという。3年前には、売り場を1・5倍に拡大し、駐車場を完備。今では連日多くの客が訪れる、ちょっとしたスポットになっている。
ツバメファーム代表取締役の清水眞佐夫さんは、燕市で代々続く米農家の9代目。昭和30年代の複合経営推進の流れから、同38年に養鶏事業を始めた。わずかな羽数からスタートし、現在は1万2000羽を飼育するまでに成長。同時に、米栽培には鶏からの有機活性肥料を利用する循環型農業を実践している。
同社の主力商品は、アスタキサンチンを含有した赤卵だ。アスタキサンチンには、老化や万病の原因となる活性酸素を抑制する働きがあり、その抗酸化作用はビタミンEの約1000倍と言われている。その成分を摂取した鶏の卵は、黄身が鮮やかな橙色で、濃厚な味わいが特徴。割ってみるとプリっとハリツヤがあり、新鮮さを証明している。
8年前、アスタキサンチン赤卵の生産を始めた当初は、まだアスタキサンチンに対する世間の認知度は低く、黄身の色が赤くて気持ち悪いと言われたこともあったという。だが、数年前から健康成分として注目を集めるようになったことで、次第に評判が広まり、売上は以前の2倍に増加。今年9月から出品しているふるさと納税返礼品にも全国各地から多くの注文が入り、リピーターは着実に増えているという。「一度口にしたら確かな味をわかってもらえる」と清水さん。燕地域から県内外へと販路拡大に意欲をみせる。