生姜、大葉などを使ったチョコレートも提供する洋菓子店「ル・タン・メルヴェイユ」(新潟市)

板チョコをモチーフにした洋菓子店「Le Temps Merveilleux(ル・タン・メルヴェイユ)」

新潟市西区小新にある板チョコをモチーフにした洋菓子店「Le Temps Merveilleux(ル・タン・メルヴェイユ)」がある。店内には17~18種類以上のケーキや、季節の素材を使ったチョコレートなどのスイーツを揃えているほか、イートインスペースもあり店内で食べることもできる。

イートインでは、9種類のコーヒーや、(過去話になった)唐辛子を使ったチョコレートドリンクを飲むことができることもあって、ビジネス客などの来店者も少なからずいるという。「一般的な洋菓子店では男性客は2割いれば多いといわれているなか、当店では3割近くが男性客です」と、代表の佐藤徹夫氏は話す。

イートインスペース

佐藤氏は福島県大熊町の出身。高校を卒業後、織田調理師専門学校(東京都中野区)を経て、都内の洋菓子店や、フランス料理店で10年間以上働いた。その後、福島県に戻り、浪江町で洋菓子店「パティスリー・アドゥシール」を開業した。

しかし、2011年3月に東日本大震災が発生し、福島第一原子力発電所がメルトダウン。父母、姉、妻、愛犬ともに避難を開始し、山形県や新潟県村上市を経て、3月20日頃に新潟市に来た。新潟市で住宅を借り、ファストフードで働き始めた2年後の2013年に子供が生まれた。「第一子が生まれた時、将来のことを考えました」と佐藤氏。そして、この先、地元に戻れる見込みはないことから、新潟市での身を固めようと思い、正社員になるか、洋菓子店を開店するかの、いずれかの道を選択することを決意。悩み抜いた末に洋菓子店を開店する道を選んだ。

代表の佐藤徹夫氏(写真右)

店は2014年6月にオープンした。店の特徴を訊ねると、「他店と商品が被らないことです」との答えが返ってきた。具体的には、季節によって異なるが、生姜、大葉、金木犀、唐辛子などをチョコレートに使っているのだという。今も(先述の)唐辛子を使ったチョコレートドリンクを提供しているほか、バレンタインには、山生姜を使ったチョコレートを販売するそうだ。

ところで何故こうした素材を使うこと思いついたのか。「以前、フランス料理店で働いている時、コース料理に合ったデザートを作っていました。その時にこうした素材を使っていました。この経験が活きています」(佐藤氏)。

一方、変わった食材を使ったり、“Jターン起業家”であったりすることから、注目を集めることも多く、昨年だけで5、6回ほどテレビ番組に取り上げられた。こうしたこともあり、クリスマスケーキの予約が県内各地からくるという。

菓子をつまみにしたビアガーデンも構想

店の経営は、大型商業施設「アピタ」のすぐ隣で目立つ場所に位置すること、さらに先述のように注目を集めていることもあり順調。そんななか、敢えて課題をあげるとすると、商品の性質上、夏場に売り上げが落ちてしまうことだ。そこで、夏季に新サービスを始めることを考えているそうだ。「まだざっくりと考えている段階ですが、店の駐車場を使って、ビアガーデンをやろうと考えています」(佐藤氏)。しょっぱい菓子や枝豆(近くの黒埼は茶豆の産地でもある)などを、つまみに出すビアガーデンで、家族連れで来た場合、子どもたちには店内で洋菓子を楽しんでもらうこともできる。「早ければ、来年(2020年)に始めたいと考えています」(佐藤氏)

【店舗概要】
店名/ル・タン・メルヴェイユ
住所/新潟県新潟市西区小新5-5-7
サイト/https://www.l-merveilleux.com/sp/

 

Biz Link

biz Link2019年12月10日号より転載

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