新潟県阿賀町にある揚川発電所1号機で13年ぶりの水車発電機分解点検、水車ランナー吊り込み作業などを公開
東北電力株式会社(仙台市)は24日、揚川発電所(新潟県阿賀町)1号機の水車発電機分解点検(大規模な分解点検)の様子を報道陣に公開した。大規模な分解点検の重要工程である、水車ランナー(羽根車)の吊り込み作業の様子の公開や点検作業工程の説明が行われた。
揚川発電所1号機では、13年ぶりの大規模な分解点検が10月から2022年3月までの予定で実施されている。この日公開されたのは、分解し、点検や修繕を終え組み立て直された水車ランナーを、クレーンにより吊り上げ正規の位置に据え付ける作業。大規模な分解点検の工程の中で、もっとも重要な作業のひとつという。
水車ランナーは、重さ約186トン、直径約12.7メートル。巨大な水車ランナーが、クレーンによりゆっくりと吊り上げられ、正規の位置へ移動させる作業が公開された。水車ランナーを収める枠(ディスチャージリング)との隙間は3mmと狭く、複数の作業員が無線連絡で連携をとりながら、慎重に作業が進められていた。
揚川発電所は1963年5月に運転が開始され、今年で58年が経過。2台の発電機で構成されている。なお、阿賀野川水系における東北電力の水力発電所は27か所あり、総出力は約140万キロワット。揚川発電所は最も下流に位置し、最大出力は5.36万キロワット(一般家庭約18,000世帯分の年間使用料に相当)を有し、新潟県内の水力発電所の出力量においては4番目の多さという。
東北電力会津若松支社の石黒尚裕副支社長は、「我々の使命は停電が起きないように電気を作っていくこと。今年の冬もLNGの高騰など厳しい環境と聞いているが、なるべく安定して電気をお届けしていくように努力していきたい」と話した。