右肩上がりのキャンピングカー市場で販売シェア1位のフジカーズジャパンの新潟店
キャンピングカーのビルダーやディーラーが加盟する日本RV協会(東京都)のホームページによると、日本におけるキャンピングカーの保有台数は2018年に11万2500台と初めて11万台を突破した。2005年が5万台、2011年が7万5600台、2015年が9万5100台、2017年は10万6200台だった。各社の売上金額を合計して算出した市場規模も過去10年間右肩上がりで、2017年のキャンピングカー総売上合計金額は424億6975万円だったという。
約50台のキャンピングカーが並ぶ新潟店
このキャンピングカーの販売で、ひときわ大きな存在感を放っているのが、国内市場で6割以上のシェアを占める業界最大手の株式会社フジカーズジャパン(東京都)だ。中古車などの情報誌に並ぶキャンピングカーの販売元を見ると、かなりの比率でフジカーズの名前が並んでいる。
「当社では、キャンピングカーの専門店、(一般車両や福祉車両も扱う)総合店が全国に15店あります」と、フジカーズジャパン新潟店の高橋雄介マネージャーは話す。新潟店は総合店で、昭和の車(10~20台)、福祉車両(50台)を含む250~300台の車を扱っていて、このうち50台ほどがキャンピングカーだ。ちなみに兵庫(神戸西宮店)で200台、千葉(柏店)で100台、仙台(仙台名取店)で70台、群馬(高崎店)で40~50台ほどのキャンピングカーを展示しているようだ。「新潟でも常時100台ほどのキャンピングカーを展示する専門店を目指していますが、キャンピングカーの人気がは高くすぐに売れていくので、なかなか在庫を積み増すことができないのが現状です」(同)という。
ただ、50台近くのキャンピングカーが並ぶ新潟店の光景は圧巻だ。その新潟店には、ハイエースを改装した「バンコン」、トレーラー、トラックの荷台を使った「キャブコン」などのキャンピングカーがずらりと並んでいる。「キャンピングカーは、用途(サーフィン、モトクロスレース、愛犬と一緒など)によって、内装などが異なります」(同)。例えば、サーフィンであれば、温水シャワーが付いていたり、床の一部が防水になっていたり、サーフィンを収納するスペースがあったりという具合だ。そうした細かな仕様などについてアドバイザーが相談に乗りながら、購入するキャンピングーを決めていくという。
ただ、実際にキャンプをしてから購入を決めたいという人もいる。このため全店舗でレンタカーサービスも行っている。このほか、新潟店では行っていないが、店舗によっては、キャンピングカー専用駐車場の提供も行っているという(同社ホームページ参照)。
他県の店舗のキャンピングカーも取り寄せ可能
一方、同社では、茨城と広島の製造工場で新車を製造しているほか、高級輸入キャンピングカーなども扱っている。新車は受注から納車まで約半年から1年前後かかる為、使用時期やユーザーのこだわりによって中古車と新車を提案している。なお、中古車であれば、インターネットで調べて、自分のニーズに合致するものがあれば、すぐに手に入れることができる。「キャンピングカーの場合、選択肢が限られている(多くの在庫はない)こともあり、(実際に見ることなく)インターネットで購入する方は多い」(同)という。
ちなみに同社の場合、同社の車検索サイトで調べて、他県の店にお気に入りの車があれば、取り寄せることもできる。
フジカーズジャパンの強みは?
各店には買い取り出張のための人員がいるものの、キャンピングカーの仕入れは、千葉県の柏市の仕入部で一括して行っている。同社の強みの一つは、この仕入れの部署ともいえる。キャンピングカーの価格が、どの程度なのかが分かる仕入れ担当がいるため、販売価格を考慮して適正価格で購入できるのだ。また、キャンピングカーのメンテナンスは一般車両と異なる部分も多い。こうしたメンテナンスを支える人材も同社が優位性を発揮できる要因の一つになっているといえる。
【フジカーズジャパン新潟店】
住所/新潟県新潟市南区神屋168-1
電話/025-373-6667
サイト/https://www.fujicars.jp/shop/niigata/niigata.html