帝国データバンク新潟支店が県内の「後継者不在企業」調査の結果を発表
新潟県内企業の後継者不在率は58.2%(全国35位)
帝国データバンク新潟支店は27日、新潟県における「後継者不在企業」調査の結果を発表した。
調査は、帝国データバンクが持つデータベースをもとに、新潟県内で事業承継の実態についての分析が可能な4219社(全業種)を対象に実施。全県での後継者不在率を明らかにし、さらに業種や企業規模などの分類別の詳細結果も発表した。
調査によると、2019年の新潟県内企業の後継者不在率は58.2%。この数字は全国平均の65.2%より低く、47都道府県別の順位では35位であった。なお都道府県別の最高は沖縄県の82.9%で、最低は和歌山県の43.0%。
また同数字は、2018年の61.7%との比較で3.5ポイント低下(全国では1.2ポイントの低下)。帝国データバンクでは新潟県の後継者問題の実態について「後継者不在企業の事業承継に向けて国や自治体による公的支援の効果が徐々に上がっているとも見て取れる」としている。しかし、新潟県は後継者不在による休廃業・解散率が全国ワーストの部類に入る現状を鑑みて、「6割近くの企業が後継者不在であるなど、後継者問題が県内企業の大きな課題となっていることに変わりはない」とも見ている。
その他、調査結果のポイントをまとめると、次の通り。
- 代表者年代別の後継者不在率は、「30代」の90.5%が最高で、以降は代表者の年齢が高くなるにつれて低下。
- 業種別(大分類)の後継者不在率は、「建設」の67.2%が最高。続いて「サービス」(同62.8%)、「不動産」(61.7%)、「小売」(61.1%)となるが、いずれの業種も同数字は低下。
- 「従業員5人以下」、「売上高5,000万円未満」、「資本金1,000万円未満」、「小規模企業(中小企業庁の「中小企業・小規模企業者の定義」に基づく分類)」で後継者不在率が高く、規模が大きくなるにつれて同数字は低下。