柄沢ヤスリ(燕市)が、負荷をかけずにきれいに爪を削ることができる爪ヤスリを発売
柄沢ヤスリ(燕市)は2日、「ちっちゃな初爪(はつめ)」の販売を始めた。患者などに利用されている爪ヤスリ「初爪」を一般向けに改良した商品。爪に負荷をかけることなく、爪を削ることができるため、爪をきれいな状態に維持できる。価格は4000円(税別)。燕三条地場産業センター、新潟伊勢丹「NIIGATA逸品」で販売している。
同社では2018年、腕や手が不自由な人でも気軽に使える爪ヤスリ「初爪(はつめ)」を開発、販売を始めた。
この初爪は、高校教員だった柄沢良子代表取締役が、島根大大学病院の医師になった教え子から、まひなどで腕が不自由な患者が、爪を切るのに苦労しているという話を聞いたことがきっかけで開発を始めたという。
ヤスリは台で固定しているため、片手だけで爪を削ることができる。また通常、ヤスリは1方向しか削ることができないが、初爪は日本初の技術である独自のカーブを施し3方向からも削ることができるようにした。また、ヤスリの目が細かく、爪に負荷をかけずに削ることができる。
こうした製品の特徴に加え、ものづくりの町「燕三条」の一大イベント「工場(こうば)の祭典」で同社の96歳職人が製造していることなどが話題となり、注目が集まった。
現在、まひなどで腕が不自由な患者や、抗がん剤治療などでも爪が薄くなり割れやすくなった患者などに利用されているという。
一方、2日に発売した商品は、この初爪を一般用に改良したもの。台座をなくしたほか、サイズもコンパクトにし、持ち運びを楽にした。携帯に便利なポーチもついている。
野球の投手(手の爪)、陸上選手(足の爪)といったスポーツ選手や、ギタリストなどは爪が重要となるため、爪にひびが入りやすい一般的な爪切りではなく、ヤスリや、爪を保護するオイルを常備しメンテナンスを徹底しているという。こうした用途(爪が重要な仕事)に加え、爪をきれいに維持したいという人に向けて販売していく。
同社は昭和14年の創業で、組ヤスリを中心とする工業用のヤスリの製造を続けてきた。現在は、その他に時代のニーズに合わせて柄厚薄平ヤスリ・極細ヤスリ・プラスチックヤスリ・爪ヤスリ・踵ヤスリ等弊社のオリジナリティ生かしたヤスリを製造している。