デンカ株式会社(東京都)の今井俊夫代表取締役社長が年頭あいさつ、「営業利益目標値である500億円達成に取り組んでいく」

デンカ株式会社の今井俊夫代表取締役社長

デンカ株式会社(東京都)の今井俊夫代表取締役社長は1日付で、年頭あいさつを発表した。年頭あいさつは以下の通り。

明けましておめでとうございます。2020年の年頭にあたりご挨拶を申し上げます。まずは、全世界を襲っている未曾有の事態に思いを馳せ、一日も早く平穏な日々が戻ることを祈念いたします。医療関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、世界各地で増加している自然災害に立ち向かう皆様には尊敬の念を禁じえません。

今年は経営計画 Denka Value-Up の最終年度がはじまります。今年度これまで注力してきた3つのValue-Up についてその進捗を振り返りたいと思います。

先ずは事業 Value-Up ですが、今年度より事業部門を従来の5部門から4部門体制に再編成し、その新体制のもと、スペシャリティー事業の成長加速と既存事業の見直しによるポートフォリオ改革を推進しましたが着実に進展しています。環境・エネルギー、ヘルスケア関連製品の販売が大きく伸長したことから、今年度も昨年に引き続き営業利益は過去最高を達成する見込みです。

環境・エネルギー分野では半導体関連製品が特に好調であり、機能性フィラー製品の新増設を大牟田で決定、シンガポールでは球状アルミナの新工場が一部稼働開始し、本年春よりフル稼働の予定です。また、渋川工場を電子材料の中核生産拠点と位置づけ、放熱シートの新規設備を導入し、生産能力を現在の約2倍に増強することを決定しました。

ヘルスケア分野では、新型コロナウイルス抗原迅速診断キットの展開を加速しました。インフルエンザも判定できるコンボキットを発売すると共に、抗原検査体制の充実を図る厚生労働省の配布事業にも供給いたしました。また、悪性脳腫瘍の治療に使用される画期的なウイルス製剤「G47Δ」の発売開始に加え、インフルエンザワクチンの新工場が完成し、来シーズンからの供給に向けて準備を開始しました。

高付加価値インフラ分野では、CO2吸収型コンクリート「CO2-SUICOM」の普及を目指し、炭酸化混和材「LEAF」の本格的な展開を開始しました。またバイオスティミュラント「レコルト」を10月から全国へ展開しました。基盤事業においてもセメントの販売体制見直し、シンガポールにおけるポリスチレン樹脂プラントの MS 樹脂への転換を行いました。

第2は環境 Value-Up ですが、2030年の温室効果ガス排出量50%削減と2050年のカーボンニュートラル達成のための施策を着実に進めています。50年振りの水力発電所建設となった新青海川発電所が送電を開始し、北陸電力とともに建設を進めている新姫川第六発電所も完成間近となっています。青海工場における CO2 の回収、有効利用についての技術開発も、外部機関との連携を含め鋭意進めています。また東洋スチレンと共に行うケミカルリサイクル事業についての検討も大詰めを迎えています。

第3の人財 Value-Up では、4月に「健康経営宣言」を制定し、会社として社員の Well-Being へのコミットを宣言しました。今年度は2年に1度の労働協約改定の年であり、年休、育児・介護サポート等の規定について改善を決定しました。今後も社員が「働くことで成長を実感できる」会社となるべく人財 Value-Up に注力していきます。

一方で、昨年1年間を振り返ると様々な出来事がおこりましたが、その中でいくつかの課題が浮かび上がってきています。先ず、第一の課題は何といっても「安全の確保」です。昨年は青海工場での車両滑落事故で鉱山開発を行っていただいていた建設会社2名の方の尊い命が失われました。安全推進会議等で「目線を上げたリスクアセスメント」を強化しております。

第2は「品質保証」です。ひき続き、私たちの大切なお客様に多大なご迷惑をお掛けし、長年積み重ねてきた信頼が失われてしまう品質問題の発生は絶対に避けなければなりません。品質問題発生リスクの観点からそれぞれの製造プロセスについて再度リスクアセスメントを行い、品質問題の発生を防ぐために、反応プロセス、経時変化、保管・輸送条件等に関するサイエンスの更なる解明を行ってまいります。

第3は「自然災害への備え」です。一昨年に続き昨年も大雨、大雪、落雷、ハリケーン等様々な自然災害によるネガティブロス及び供給問題が発生しました。昨今の自然環境は明らかに従来私たちが過ごしてきた時代のそれとは異なります。当社が供給責任を果たすためには当社のみならず原料や輸送方法の確保といったサプライチェーン全体の「強靭化」を更に進め、目配せをしてまいります。

いよいよ今年は Denka Value-Up 計画の最終年度に入ります。3つの Value-Up を更に前進させ、営業利益目標値である500億円達成に取り組んでまいります。

2022年も当社は SDGs を羅針盤に、誰よりも上手にできる仕事で全ての人がより良く生きる世界をつくる、社会にとってかけがえのない企業を目指してまいります。

最後になりましたが、皆様の益々のご発展とご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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