新潟関屋自動車学校(新潟市中央区)、食堂棟と校舎棟に続いて合宿寮棟の建て替え工事が完了

新潟関屋自動車学校では平成29年から食堂棟、校舎棟、合宿寮棟の建て替え工事を進めてきた

新潟関屋自動車学校(新潟市中央区)は、平成29年4月から、食堂棟、校舎棟、合宿寮棟の建て替え工事を三期に分けて進めてきたが、昨年(令和元年)12月にすべての工事が完成した。一連の新築工事により建設した建物は、「居心地の良さを意識して作った」(山本一比呂執行役員副校長)という。学科試験の合格率97.2%という実績に加え、この新たな建物で、県内外から、さらなる生徒の開拓を目指す。

 

「学科試験の合格率97.2%」の実績と「居心地の良い空間」で生徒の開拓を目指す

18歳人口は平成2年にピークを迎えた。そうしたなか、当時、各地の自動車学校では、合宿施設を開設し、自動車学校のキャパシティがオーバーフローしている首都圏などの生徒を呼び込もうという戦略を加速し始めた。新潟関屋自動車学校でも平成4年に合宿棟を開設し、新幹線で新潟と結ばれている関東圏の生徒などの開拓に乗り出した。こうした結果、現在では合宿(関東圏、関西圏、北海道など)が6割、通学が4割という比率になっている。

ただ、合宿寮は道路を挟んで少し離れた場所にたっていたことから不便だったという。また校舎は築50年が経過し老朽化していた。こうしたことから、平成29年4月から食堂棟、校舎棟、合宿寮棟の建て替え工事を三期に分けて進めてきた。

校舎棟受付

冒頭で紹介した通り、新潟関屋自動車学校の学科試験合格率は97.2%(2019年1~12月、新潟県運転免許センター調べ)で、県内36ある自動車学校のなかで1位を誇り、同校の大きな強みになっている(なお県平均は68.2%)。これに加え、一連の新築工事で「学びの空間」や「住空間」の快適性・機能性が高まったことは、首都圏など県外からの生徒を集めるための大きなウリになるといえる。

ちなみに東京23区では、郊外へ移動していた大学の都心回帰などから、18歳人口が微増しており、都心の自動車学校のキャパシティはオーバーフローの状態だという。

 

「機能性」や「快適性」が大幅に向上

平成29年12月に完成した食堂棟(100人規模に倍増)は、完成して間もない事もあり、いまも清潔そのものだ。加えて、料理にも力を入れる。11人いる調理スタッフ(すべて正社員)が協力して献立を創意工夫し、(生徒が一巡する)3週間以内に、まったく同じメニューが出ないようにしているのだ。当然、料理も温かい状態で食べることができる。

こうしたことが合宿した人々によって、口コミで広がり、新たな生徒の獲得につながっている。

食堂棟

食事

食事例1

【写真】食事例2
【写真】食事例3
【写真】食事例4

 

平成30年10月に完成した校舎棟(床面積を倍増)でも様々な機能を充実させたほか、居心地の良さを高めた。その一つが、マン・ツー・マン指導に対応した部屋だ。これまでも集団学習に加え、マン・ツー・マン指導を行ってきたが、これまでは“間に合わせ”のスペースで行ってきたという。だが、新しい校舎棟では専用のスペースを開設、よりマン・ツー・マンの指導を行いやすくした。

また、ホテルライクな受付(上に写真を掲載)、自分好みのすわり心地を選べる椅子、パウダールームを備えた女性専用の待合室、タブレットが設置された学習室など「機能性」や「快適性」も高めている。

校舎棟

校舎棟。様々な椅子があり、自分好みのすわり心地を選べる

 

最後に昨年11月に完成した合宿棟では、これまでのシングル、ツインの混在していた部屋タイプをすべてシングル(100室)にした。室内は、ホテル仕様でゆっくりつと寛ぐことができる。

なお年間の入校者が県内でも1、2位を争う同自動車学校では、ピーク時には200近くの合宿生がいる。このため、市内のホテルに宿泊する合宿プランもあるそうだ。

合宿棟 室内1

合宿棟 室内2

 

一方、働き方改革の動き加速していて、新潟関屋自動車学校でも労働時間が短縮する傾向にある。このため、指導員の増加を図っている。こうしたなか、一連の建て替え工事は採用面でも効果が出ている。例年2~3人の指導員を採用するという状況だったが、校舎棟が完成した直後の採用では、職場環境が大幅に向上したこともあり、8人の新たな指導員を獲得できたという。「以前は60~65人体制でしたが、現在、79人体制。85人体制にしていくことを目標にしています」(同)

 

従業員の事故防止に向けてデータを使った企業向け講習も

新潟関屋自動車学校は、車に魅せられた綿井兵吉氏が1925年に創立した新潟県内で最も歴史のある自動車学校。トヨタ自動車が国内初の量産自動車を完成させたのが1936年だから、いかに早く創立されたかが分かる。その後、戦時中には、中古部品を寄せ集めて県産第一号車を完成させている。

そんな新潟関屋自動車学校では、「小学校や中学校で安全指導」、「高齢者向けの講習」のほか、「企業向けの講習」にも取り組んでいる。

企業向けの講習では、従業員が交通事故を起こすことにより企業イメージを損ねたり、保険料率の上昇を抑制するために従業員の交通安全教育を支援している。具体的には、運転者の走行データを取得して、事故防止に役立てている。「事故を起こしやすいタイプとそうでないタイプの方がいます。こうしたなか、車だけでなく、運転者の頭(防止)、足などにGPSを取り付けて、『ブレーキをかけるタイミングの良否』『左右をきちんと安全確認しているか』『一時停止はきちんと止まっているか』など、客観的データを取得し、(事故を起こしやすい)運転のクセを改善して頂いています」(同)。また首都圏などから新潟支店に配属された従業員向けに雪道の走り方なども講習しているという。

このほか、身体障害者の免許取得にも力を入れ、障害者に優しい教習を企業ポリシーとしている。毎年希望する指導員は全国手話検定を受検し、聴覚障害者教習に対応している。また、県内でも珍しい両足が使えなくても運転できる車(手動式のアクセル・ブレーキ)を導入している。

【新潟関屋自動車学校 概要】
住所/新潟県新潟市中央区関屋浜松町22
電話/025-265-0101
職員数/指導員79名、事務員9名、その他35名
教習免許の種類/普通(AT・MT・二種)、二輪(小型・普通・大型)
サイト/https://www.sekiyads.co.jp/top/

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