ヴァーテックス(新潟市)が温泉施設とカルチャースクールのサブスクリプション事業を開始
アタマとカラダを使いココロを整える
デジタル家電などの企画開発・輸入販売を手がける株式会社ヴァーテックス(新潟市江南区)は昨年12月、温泉施設とカルチャースクールを組み合わせたサブスクリプション事業を開始した。進行する少子高齢化社会を見据え、中高年層をターゲットに楽しく充実した人生を送るための『コト』を提供するのが狙い。日本初のビジネスモデルとして全国から注目が集まっている。
健康寿命を伸ばすために、カルチャー教室で『アタマ』をきたえ、健康教室で『カラダ』を動かし、温泉施設で『ココロ』を整えるというサービス。温泉施設は月額7999円(税別)の定額制でいつでも使い放題。カルチャースクール通い放題とセットで9999円(税別)の価格設定とした。
会員専用の人口温泉施設「スパ&ラウンジ長潟」は昨年12月15日、新潟市中央区長潟にオープンした。スーパー銭湯や健康ランドとは差別化を図るため、広いスペースの確保と高級感ただよう調度品を配置、日常を忘れゆったりとくつろげるラグジュアリーな空間を演出している。
風呂は、木目調であたたかみのあるデザインの「金の湯」、シックモダンを取り入れた「銀の湯」があり、週替わりで男女入れ替わる。最新の人工温泉装置を導入し、群馬県の草津温泉や岐阜県の下呂温泉といった日本各地の名湯の湯を月替わりで提供する。粉末の入浴剤とは異なり、色や匂いだけでなく、性質や効能までもそっくり再現できることから、わざわざ時間とお金をかけて遠くまで行かなくとも、名湯と同じ泉質のお湯を楽しむことができるのだ。さらに、露天風呂には肌改善に効果の高い、オリジナル泉質の「喜楽の湯」を用意した。
また、泉質だけでなく、至る所のちょっとした気遣いが贅沢感を引き上げている。ロッカーは人がゆとりを持ってすれ違える配置にし、洗い場の衝立は高めに設計、階段状のサウナは一段の幅を広くとるなど、他人が気にならない工夫を施した。髪質を向上させることで話題の復元ドライヤーが設置されているのも嬉しい。
風呂で癒された後は、ラウンジでのんびりしたり、リクライニングチェアーに座ってテレビをみたりと過ごし方は自由。鈴木コーヒーの日替わりドリップコーヒーは月額1000円で味わえる。
ビジネスモデル確立後はFCでの全国展開も
カルチャースクールは、風呂会員料金にプラス2000円で好きな講座に通い放題と、価格破壊とも言える料金設定。だがメニューは充実している。毎週月曜から金曜まで、陶芸、英会話、ヨガ、バドミントンなど約60講座を展開。今後もメニューは随時追加して100講座まで拡大するという。気軽に1日体験や1レッスン体験も可能だ。
スパから車で10分ほどにある新潟市中央区の家電量販店ケーズデンキ女池インター本店2階が会場となる。スポーツ系は同区豊照体育館で開催。将来的には専用バスを運行してスパと会場を結ぶ事も検討している。
今春、県内最大規模のシュミレーションゴルフ場を開設するが、こちらもサブスクリプションのメニューに追加され、オプションで資格を有するプロからレッスンを受けることが可能となる。また、カルチャースクール会場の空き時間を活用し、子どもたちに向けた学習塾や体育教室を計画中。共働き世帯が年々増加傾向にあることから、子どもを預ける場所としての需要もあるとみている。
ヴァーテックスの帆苅学代表取締役社長は、「高齢者の生きがいづくりにつなげたい。定額制のビジネスモデルを確立した後、フランチャイザーとして全国展開に乗り出していく」と、今後の展望について語った。
※biz Link2020年1月10日号より転載