新潟県労働者福祉協議会が、花角知事に労働者福祉に関する要請書を提出
新潟県労働者福祉協議会は23日、新潟県庁で、新潟県知事の花角英世氏に対し、令和2年度労働者福祉に関する要請書を提出した。この日は、連合新潟会長で、県労福協理事長の牧野茂夫氏をはじめ県労福協関係者数名が出席。
要請書の内容は全5項目。東日本大震災の被災者・避難者支援、格差・貧困社会の是正やセーフティーネットの強化、奨学金問題の改善、フードバンク活動の促進、若年層に対する金融知識の教育体制の整備だ。
要請書を受け取った花角氏は、「ライフサポートセンター事業の運営をはじめ、フードバンクの取り組みなどに改めて感謝申し上げます」と県労福協の取り組みを評価した。
要請書の提出は冒頭のみ公開で行われた。要請終了後に取材に応じた牧野氏は、今回の要請の内容について「主に貧困対策やフードバンクなどを中心に意見交換を行った」と話したほか、20日から始まった通常国会で、安倍総理が全世帯型社会保障制度に言及したことを取り上げ、「口だけで終わらず本当に実現されるよう、私どもとしては、県をはじめとする各自治体に対応をお願いしてまいりたい」と語った。
安倍総理は20日、通常国会の施政方針演説で、「働く意欲のある皆さんに70歳までの就業機会を確保する」、「現役世代の負担上昇に歯止めをかけることは待ったなしの課題」、「年齢ではなく能力に応じた負担へと見直しを進める」などと謳い、本年の主要政策課題に、全ての世代が安心できる全世帯型社会保障制度を取り上げた。
これに先立ち、昨年11月にも、総理大臣官邸では第4回全世代型社会保障検討会議が開催されている。同会議では、70歳までの就業機会確保の法案の早期提出、中小企業の負担感や生産性向上に配慮した厚生年金の適用範囲の策定などについて、医療などの分野を含め、本年夏の最終報告に向けて調整を進める見込みだ。
高齢者にとり、年金・医療・介護といった分野は日常生活に直結する極めて重要な課題だ。特に、新潟県の発表(令和元年9月15日時点)によれば、本県の老年人口(65歳以上)は71万8000人と前年比5000人増で、全体に占める割合は3割を超える。全国平均(平成30年10月1日)と比較しても、本県の老年人口割合は31.9%と、全国の割合の28.1%よりも高くなっており、安倍政権が推進する全世代型社会保障制度の行方が注目される。