「生食パン」などの新たな業態が続々と開店 新潟県内で「パンブーム」 新店相次ぐ

そのままちぎってパン本来の味を楽しめるハレパンの生食パン

新潟県内で、パン屋が相次次いで進出する「パンブーム」が起きている。「生食パン」などの新たな業態が続々と開店し、以前から地元で親しまれているパン屋は新たな店舗展開も模索。競争が激しくなっている。

新潟県内で注目が高まっているのが、「生食パン」。ブームの火付け役となったのは、高級生食パン専門店「乃が美(のがみ)」だ。2018年6月に新潟市内に初出店後、タウン誌や口コミで評判が広がり、週末を中心に現在でも行列が絶えない。乃が美のパンはたまごを使わず、最高級のカナダ産小麦粉を使用、焼かずに食べても美味いのが特徴だ。「日本の食パン、名品10本」に選ばれ、「パン・オブ・ザ・イヤー2016」の食パン部門で金賞を受賞した実績もある。

新潟県で生食パンブームの火付け役となった「乃が美」。

19年6月には、新潟市中央区女池南に食パン専門店「純生食パン工房HARE/PAN(ハレパン)新潟女池店」がオープン。ラーメンやうどん店を展開する角中グループが、新規事業として新潟県初進出の店を展開する。紫鳥線沿いに立地し、新潟バイパス桜木ICを降りて5分ほどの場所に構える。ハレパンは18年上旬に1号店となる「南越谷店」をオープンすると、全国各地に出店を増やし、現在では10店舗以上を構える人気店だ。特徴は卵を使わず、オリジナルの小麦粉を使用している点。和食職人が監修し、日本の食卓に合うように仕上げてある。同店ではツイッターで販売状況を発信したり、ウェブで予約も受け付けている。午後には完売する日も多く、人気が続いている。

19 年6月にオープンし、話題の「ハレパン」

また、12月15日には「水にこだわる高級食パン」を掲げる高級食パン専門店「銀座に志かわ」が長岡市内にオープン。今後、新潟市や上越市など、県内主要都市への出店も計画する。

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水にこだわる高級食パン「銀座に志かわ」が新潟県に初出店(2019年12月5日)

一方、新潟市内には「パンのカブト」、「冨士屋」など、地元で古くから愛されているパン屋も多い。3店舗を展開する「サフラン」は豊富な種類のパンを揃え、週末を中心に多くの家族連れで賑わう。週末にサフランで朝食を食べる新潟市内の個人事業主の50代女性は「様々な味を家族で楽しめるのは嬉しい」と語る。18年には新潟駅に姉妹店の「パオ」を出店。電車通勤の会社員や学生など、路面店とは違った顧客層にアプローチしている。

新潟市内の老舗パン屋の社長は「社会情勢に合わせて、市民の舌は変わっていく。流れに合わせて、新たなパンを作ったり、イートインを拡充して新潟県民の生活状況に合わせて新しい店を出したりしないと、競争に勝っていけない」と語る。

ドイツやフランスなど、ヨーロッパ風のパンを打ち出す店なども増えており、新潟県内がパンの激戦地となりそうだ。

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biz Link2020年1月10日号より転載

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