新潟県長岡市の松田養鯉場で“錦鯉”観光施設の建設構想が浮上
錦鯉が近年、欧米や、中国を中心とするアジア地域の富裕層に人気を博しているのは周知のとおり。日本国内でも昨年2月、錦鯉の国魚指定を目指す、自民党国会議員有志による「錦鯉文化産業振興議員連盟」が発足するなど、錦鯉の輸出をクールジャパン成長戦略の一環と位置付け、世界に発信しようとの機運が高まっている。
一方、新潟県は2017年、錦鯉を県の観賞魚に指定。小千谷市では、錦鯉ミュージアムである錦鯉の里が設立30周年を迎えた。こうした状況を受け、長岡市で錦鯉を既存のバイヤーのみならず、国内外の観光客に楽しんでもらう観光施設を作ろうとする構想が進んでいる。この構想の中心となっているのが、松田養鯉場の社長を務める松田松夫氏だ。
松田社長の構想としては、道の駅のような格好で目玉となる施設を作り、施設内でいつでも誰でも錦鯉を鑑賞できるようにし、合わせて錦鯉のオークションも開催したいとのこと。あくまで構想段階ではあるが、実現すれば地元の温泉を始めとする宿泊施設と連携することで新たな体験型観光事業として、長岡市の活性化につながることが期待される。
松田養鯉場の従業員は、「松田社長は錦鯉発祥の地とされる古志郡二十郷に当たる、長岡市山古志(旧山古志村)の出身。かねてから、長岡市に錦鯉を大々的にPRする施設がないことを気にかけ、地元行政や養鯉生産組合、観光業界に働き掛けてきました。県外での新潟フェアでは、『錦鯉といえば小千谷市』というPRが主じゃないですか。おそらく、長岡で錦鯉のPRがなかなか進まない状況に一石を投じたいのでしょう」と話す。
※biz Link2020年1月10日号より転載