新潟県内企業のメインバンク調査で、第四銀行が11年連続首位
帝国データバンク新潟支店が2009年から行っている新潟県内企業のメインバンク調査で、第四銀行がシェアを前年比0.09ポイント増の36.03%(1万1441社)とし、11年連続で首位の座を維持した。
2位の北陸銀行もシェアを0.06ポイント増の20.35%(6461社)とし、3位には11.56%(3670社)で大光銀行が続いた。上位3行が占める割合は約67.9%と、新潟県内で引き続き7割近いシェアを占めている。
帝国データバンク新潟支店は、2019年10月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録、特殊法人や個人事業主含む)に収録されている企業がメインバンクと認識している金融機関について抽出、集計・分析したという。この調査は2019年2月に続いて11回目となる。
業種別では、全ての業種で1位/第四銀行、2位/北越銀行、3位/大光銀行の構図となった。さらに、いずれの業種でも、この3行のシェアが7割前後に及んでおり、引き続き新潟県内での影響力の強さをうかがわせる結果になった。
また、売り上げ規模別でも、第四銀行や北越銀行、大光銀行が上位を占めるものの、「50億円~100億円未満」や「100億円以上」などの大規模企業では、上位にメガバンクの名前が挙がり、規模が大きくなるにつれて構造にも変化がみられるようだ。
帝国データバンク新潟支店の見方によれば、第四銀行と北越銀行が2021年1月に合併及びシステム統合を予定している点に触れ、この後の動向にも注目が集まっていると指摘。今後も新潟県内のメインバンクは、ワンバンクとなる第四銀行・北越銀行と大光銀行の3行を軸に展開されると予想している。
こうした状況下、2019年12月には新栄信用組合(新潟市江南区)とさくらの街信用組合(阿賀野市中央町)が合併し、はばたき信用組合(新潟市江南区)が誕生した。新潟県は全国的に見ても信用金庫や信用組合の数が多く、地銀などを含めオーバーバンキングの様相を呈しており、今後も経営統合や合併など再編の動きが加速すると予想している。
こうした背景には、日本銀行のマイナス金利政策による超低金利の長期化によって、金融機関にとり厳しい経営環境が続いていることがある。上場地銀103行の2019年9月期中間決算(単体)では、6割超の66行が減益、5行が赤字となった。こうした状況を受け、各金融機関では店舗統廃合や人員削減を積極的に推し進めたコスト圧縮や、フィンテックなどIT化の推進、活動基盤の拡大に伴う越境融資など、生き残りに向けた施策を続けている。
一方で、全国的には、インターネットやスマートフォンの普及を背景に、IT技術を活用し店舗網を持たないネット銀行の攻勢が近年強まっており、メインバンクとしてネット銀行を選択する企業も増加しているという。
こうしたなか、SBIホールディングスが「第4のメガバンク構想」を掲げ、2019年10月には島根銀行、11月には福島銀行と、それぞれ両第二地銀との資本業務提携を結んだ。既存金融機関の枠にとらわれないSBI主導の地銀再編が進むなか、金融サービスの変化や既存金融機関の対応、企業におけるメインバンク選択の動向も注視する必要があるという。