「特定失踪者」大澤孝司さんの拉致認定を求め、再開を果たす会が新潟市へ要望書を提出
北朝鮮の拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」である大澤孝司さんと再開を果たす会は14日、新潟市の中原八一市長と、市議会拉致問題早期解決促進議員連盟会長の佐藤豊美市議へ、大澤孝司さんの拉致認定を求める要望書を提出した。
大澤孝司さんは現在の新潟市西蒲区に生まれ、県の職員として佐渡へ移住。1974年2月24日に夕食を済ませた飲食店から帰宅する途中に行方不明となった。
孝司さんの兄・大澤昭一さんは会のメンバーと共に救出へ向けた活動を続けてきたが、孝司さんが「拉致被害者」に認定されていないことから「政府と北朝鮮の交渉のテーブルにも乗せてもらえていない」(昭一さん)という。今回の要望書では、孝司さんの拉致被害認定を求めると同時に、ほかの特定失踪者についても言及した。
要望書提出の場で大澤昭一さんは、中原市長と佐藤市議へそれぞれ、孝司さんの拉致当時の状況から説明。拉致直前に孝司さんは知人たちへ「農地整備を手伝って欲しいと頼まれたが、現場が日本ではなさそうで困っている」と知人たちへ相談していたエピソードも紹介し、事前に工作員が接触していた可能性についても強調した。
大澤昭一さんは「政府は頑なに現在の17人から拉致被害者の認定を増やそうとしない。東京で政府へ要請していたが、ずっと聞き流しの状態だった。今回は地元でもう一度、話を聞いてもらって、全国へ広げていけたら」と要望へかける想いを話す。
中原市長は「長い期間活動をつづけられる昭一さんの姿には本当に頭が下がる。できることはなんでも協力していく」と応えた。佐藤市議も、昭一さんが今年で86歳になることを受け「残りの時間は少ないと考える」として、昭一さんの講演の場や広報の場を設けることの提案や、国への訴えの検討を進めていることを話した。
【関連記事】
特定失踪者である大澤孝司さんとの再会を果たす会が初詣参拝客で賑わう彌彦神社近くで署名活動(2022年1月2日)
新潟市西蒲区役所へ、大澤孝司さんの拉致認定と救出を願う横断幕が掲出(2021年11月4日)