東京商工リサーチ新潟支店が「2020年1月度の新潟県企業倒産状況」を公表
東京商工リサーチ新潟支店は4日、2020年1月度の新潟県企業倒産状況を公表した。
それによると、1月の倒産件数(負債総額1000万円以上)は6件、負債総額は28億1100万円だった。倒産件数は、前年同月比14.3%減(1件減)、前月比100.0%(3件増)となった。1月度として、1962(昭和37)年の集計開始以来59年間で52番目、1990年以降の31年間28番目となった。
負債総額は、前年同月比33.7%増(7億800万円増)、前月比339.9%増(21億7200万円増)だった。過去59年間で28番目、1990年以降の31年間で、16番目だった。産業別では、10産業のうち「建設業」「製造業」が各2件、「農・林・漁・鉱業」「不動産業」が各1件だった。原因別では、「販売不振」が3件、「既往のシワ寄せ」が2件、「売掛金等回収難」が1件。業歴別では、「30年以上」が5件、「10年以上20年未満」が1件。地域別では、「新潟市」「長岡市」「三条市」「加茂市」燕市」「阿賀野市」が各1件だった。
負債総額10億円以上の大型倒産は2件。このうち新潟紙器工業株式会社(加茂市、資本金6300万円、従業員59名)は1月14日、新潟地裁に民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。負債総額は約13億7000万円。
1959年に設立された紙器製造会社で、ダンボールをはじめ、発泡スチロール成型品等の各種紙器・梱包包装材の製造・販売を事業として、地元の電気器具・食品メーカー向けを主体に、1980年代に約20億円の売上を計上していた。
しかし、その後、納品先の製造拠点の海外移転や需要の縮小が進み、近年の売上約10億円に減少していたのに加え、関連会社への貸付金や設備投資資金として、年商を上回る規模の金融債務を抱える状態にあった。受注減少や材料相場高の影響もあって収益性も低下を余儀なくされ、赤字も散見される状態が続き、借入依存の高い体質からの改善も進まず、資金繰りも限界に達し、今回の措置となった。
今後、営業を継続し、再建を進めるとしている。同社社長は、加茂商工会議所の会頭を努めており、現在4期目に入っていた。
今後は、米中貿易摩や日韓関係に加え、中東情勢の緊迫も為替や原油価格への影響、新型ウィルスによる各方面での制限も出てきており、経済動向としても先行きの不安を拡大させる状況が続いている。こういった環境のなかで、中規模・大型の倒産も交えながら、企業倒産は緩やかな増勢に転じていくと見られるそうだ。