新潟県が「新潟県スタートアップエコシステムin SHIBUYA QWS」をオンラインで開催、株式会社ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区)の南場智子代表取締役会長が基調講演

オンラインで基調講演を行う株式会社ディー・エヌ・エーの南場智子代表取締役会長

新潟県は17日、オンラインによるイベント「新潟県スタートアップエコシステムin SHIBUYA QWS」を開催した。新潟市出身で株式会社ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区)の代表取締役会長の南場智子氏による基調講演のほか、新潟県のスタートアップエコシステムの活性化について話し合うパネルディスカッションなどが行われ、登壇者による意見交換や新潟県のスタートアップに対する提案などが話された。

南場会長による基調講演のテーマは「世界に通用するスタートアップエコシステム」。日本企業全体やスタートアップ企業の現状を世界と比較し、今後どうするべきかが語られた。

世界における企業価値トップ10の企業のうち、8社がベンチャーキャピタル(以下、VC)支援企業。さらに設立してから30年以内の企業は5社入っている。それに対し、日本国内での企業価値トップ10においては、VC支援企業および30年以内に設立された企業は0社であると説明(2021年7月13日時点)。

成長している経済は、ある時代に企業群が生まれ、しばらくするとまた新しいリーダーが出てきて企業群が生まれるというサイクルを作っているが、日本はトヨタやホンダ、三菱などを越えてくるようなリーダーが出てきていない現状があるという。
1989年には、世界のトップ50社の中に日本企業が32社入っていたが、現在は1社のみしか入っていない事に言及し、「日本は新しいリーダーを生み出していないという事が非常に大きい」と解説した。

日本経済の現状に今後行うべき事として、いくつかの提案があった。

1つは、米国に劣らない制度や環境を整備する事。企業活動の足かせとなっている規制や制度などの環境面を整備し、起業家がより市場やプロダクトへ向かう時間をつくるべきであると述べた。ほかには、優秀人材をスタートアップエコシステムに流入させる事を提案。現状は日本の労働市場が流動化しておらず、大企業に優秀な学生が吸い込まれていく仕組みになっている。大企業は新卒一括採用をすぐにやめ、いつでも入れるようにした方が日本の為にもなるし、大企業もスタートアップ経験者を採用し躍動させることができるなど、世界の動きや日本の現状に即した抜本的な提案が述べられた。

つづいて行われたパネルディスカッションでは、パネリストとして南場会長に加えて、ネクストミーツ株式会社(東京都新宿区)の白井良取締役会長と佐々木英之代表取締役、国立大学法人長岡技術大学の梅田実副学長、新潟県産業労働部の佐野哲郎部長、コーディネーターとしてフラー株式会社の渋谷修太代表取締役会長が登場。新潟県におけるスタートアップエコシステムの活性化について意見交換などがされた。

佐野哲郎部長は、「失敗をしても回りが次のチャンスを与えてくれるという環境が大事。そういうことがチャレンジを恐れない気持ちになるわけなので、そういう新潟県を作っていきたい。新潟県には(今日の登壇者のような)強い味方がいるので、一緒に協力しながら若い人たちがチャレンジできるようなエコシステムを作り上げるように頑張っていきたい」と話した。

「新潟県におけるスタートアップエコシステム」をテーマにパネルディスカッションを行う様子

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