新潟大学が2月1日付で就任した牛木辰男・新学長の就任式を開催
新潟大学は5日、2月1日付で就任した牛木辰男・新学長と、新理事6名の就任式を行った。
牛木学長は就任式後に行った会見で、新潟大学は、学生数1万3000人、職員数3000人を抱える国内有数の規模の国立大学で、附置研究所(臨床に結びついた研究を行う脳研究所、災害復興科学研究所)、医歯学総合病院などもあり、新潟の「知の拠点」や、新潟県の医療の中核を担ってきたことを紹介。
その一方で、「国立大学は独立行政法人化したことで、自立を求められ、経営改革の波にさらされている。また少子化、グローバル化も進んでいて、国立大学の役割を再定義する時期に来ている。そうした役割を考えながら、明確なビジョンと自由な発想のもと、新潟大学の個性、魅力を見出して、自律的な財政を築きながら未来に向かって飛躍していきたい」などと語った。
具体的には
・魅力的な学部教育
・未来の社会に資する大学院教育
・特徴ある研究
・産学連携、地域貢献
・大学病院の持続的運営
・国際交流
などを挙げていた。
特徴ある研究では、環東アジア研究センター、佐渡自然共生科学センター、日本酒学センターとという全学部で取り組む研究を紹介していた。佐渡自然共生科学センターは、佐渡演習林、水生動物の研究などを行う臨海実験所、棚田からなり、地域が自立していくための課題抽出やそのために必要な科学技術の導入などを行っていく。
日本酒学センターは、新潟県酒造組合、新潟県醸造試験場、新潟大学の産官学連携で、文化や歴史などの視点から日本酒学を作り、日本酒を世界の日本酒にすることを目指す。また今年度、官能試験分析装置の導入するほか、来年度には日本酒学センター棟(テースティングルーム、研究ラボ、科学技術学術のショールームなど)を設置する。さらに、ワイン学で有名なボルドー大学との連携が決まったほか、今後、UCデービス大学などとの連携も検討しているという。
産学連携では、旧歯学部病院を「ライフイノベーションハブ」という名称の建物の再開発し、1階を原子力災害病院、2階を医学系オープンイノベーション、全学的なオープンイノベーションを推進していくためのスペースにする。現在改修中で、4月以降に開設する見込み。「地域との企業、地域の大学との共同研究、とくに健康医学の研究を推進していきたい」と牛木学長は話していた。
また少子化、グローバル化の中で、留学生を受け入れる環境もさらに整備していく。「現在、留学生は500人、短期を含めると1000人近くいるが、もう少し学内をグローバル化したい」(牛木学長)と話していた。
なお牛木学長の任期は令和6年1月末まで。
牛木辰男学長。昭和32年糸魚川市生まれ。昭和57年3月新潟大学医学部卒業、昭和61年新潟大学大学院医学研究科博士課程修了。平成26年2月新潟大学医学部教授、平成30年新潟大学理事(国際担当)・副学長。