新潟県と国で進める「再エネ海域利用法に基づく協議会」が開催、村上市および胎内市沖における洋上風力発電について協議

第1回新潟県村上市及び胎内市沖における協議会

新潟県と国は19日、新潟県村上市および胎内市沖で洋上風力発電の導入に向け、再エネ海域利用法における「促進地域」の指定を目指ざすための協議会を村上市で開催した。新潟県や国および村上市胎内市の両市長、さらに地元漁業関係者や有識者らが参加し協議が行われた。

国は日本国内における洋上風力産業のビジョンを掲げており、再エネ海域利用法を施行し全国各地で洋上風力発電の導入を進めている。協議会は、2021年9月に新潟県村上市及び胎内市沖が「有望な地域」として指定されたことを受けて初めて開催されたもの。国からは洋上風力発電導入の意義や、再エネ海域利用法の内容、事業者公募までの流れなどが説明された。

協議会は国や県のほか、村上市の高橋邦芳市長、胎内市の井畑明彦市長、県や地域の各漁業協同組合、関連企業や大学などの有識者で構成。協議会の座長には東京大学の荒川忠一名誉教授が選ばれた。

村上市の高橋市長は、「漁業への影響は重要な視点。海水面だけでなく、内水面の漁業も含めた影響をしっかりと検証をしたうえで(公募する)事業者に提案するように申し入れたい。また市民に対しての精神的身体的な影響や景観に対しても徹底的に掘り下げていく必要がある。経済活動を行いながら環境と共生していくことが重要」と述べた。

また胎内市の井畑市長は、「地球温暖化に伴う海水温の上昇が魚類の生存にも関わり、漁業にとっても影響を与えていることに鑑みれば、再生可能エネルギーである洋上風力発電を進めていくことが極めて意義深く有益であると考える。漁業者との共存共栄の道筋を整えていくことなど、地域住民への不安材料が払しょくされていくことが必要だと考えている。事業者選定において、たとえ価格面で優れている評価であっても、実現性の評価が低い場合では補選を行えるような弾力的な評価制度を構築してほしいと願う」と話した。

このほか漁業関係者からは、漁業への影響のほか事故防止への安全対策などの質問が上がった。さらに、三面川の鮭漁および、鮭に関係する食文化などへの影響の心配など、地域住民の生活を守るための具体的な要望などが行われた。

今後はさらに協議会を重ねるとともに、国や県が調査などを進めていき、促進地域の指定を目指すとしている。現在のところ、秋田県沖や長崎県五島市沖など全国4か所で洋上風力発電が整備されている。

第1回新潟県村上市及び胎内市沖における協議会の様子

村上市の高橋邦芳市長(写真左手前)と胎内市の井畑明彦市長(写真右手前)

村上市荒川地区公民館

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