リフォーム県内最大手の頚城建工が青山スタジオをリフォームオープン
「ライフサイクル」ではなく「ライフスタイル」のリフォームを提案
新潟県内で「住まいのリフォーム専門店アクト」という名で、リフォーム業を展開する(株)頸城建工(上越市、福田孝則社長)は先月、新潟市西区に、リフォーム店と家具小売店が融合した「アクト青山スタジオ」をリニューアルオープンした。
新しくなった店舗では、家具・インテリア店を全国展開する(株)リビングハウス(大阪市)とコラボし、同社が独占輸入販売などを行っている家具・インテリアを販売する。家具やインテリアは、11の生活シーンを体験できる空間にそれぞれ並べている。新潟初という家具がかなりの数あるという。
同社では、リフォーム業を、「ライフサイクルリフォーム(修繕)ではなく、ライフスタイルリフォーム」(福田社長)と位置付け、アクト青山スタジオを含めた県内7店舗で、ライフスタイルの提案に注力している。
一般的なリフォーム店では、古くなった設備をリフォームしたい顧客ニーズを取り込もうと、修繕に必要なシステムキッチンやトイレなどを並べている。これに対し、同社の店(県内7店舗)には、リフォーム関連だけでなく、家具・小物などを並べている。来場者はそれらを見ながら、“自分の目指すライフスタイル”に思いを巡らすことができる(もちろん、店では、技術者やプランナーなどとリフォームの相談もできる)
例えば、相田みつを美術館や、日比谷のペニンシュラホテルなどを手がけた橋本夕紀夫氏がデザインした「アクト流通スタジオ」(新潟市西区=下写真)。漆喰黒磨きのテーブルや、四国からわざわざ運んできたという巨大な石が贅沢に置かれて高級感の漂う店内には、この店でしか手に入らないものが多く並び、来場者の想像力を掻き立てる。
リフォーム業はサービス業
「リフォーム業はサービス業」(同)と考え、接客力の向上にも重きを置いている。サービス力向上のため、福田社長はこれまでに、ロサンゼルスの百貨店・ノードストローム、ウォルマート、スターバックス、ディズニーランドなどの海外視察を行ってきた。
そこで、様々なことを学び、自社のサービスに採用している。例えば、ノードストロームでは、自店舗で取り扱いのない商品を求める来店者を、「近くの百貨店までご案内する」のを見て、自社で扱っていない商品(格安商品)を求める来店者に対し、安く購入できる他店を紹介している。
ウォルマート(骨付きチキンを食べた後に「求めていた味と違った」と指摘されたときに代わりの商品を提供)や、リッツカールトン(宿泊客のわずかな言葉や態度を見逃さず、タイミングよくサービスを提供できるよう、従業員一人ひとりに2000ドルの決裁権を委譲している)の対応も参考にした。「普段、図面を見慣れていないお客様は、図面通りに窓を設置したとしても、『もう10cm下が良かった』とご指摘されることもあります。その場合、出費は伴いますが、現場で臨機応変に対応することを認めています」(同)
なお、リッツカールトンホテルでの社内研修(講師は、小笠原敬承斎氏やリッツカールトン幹部など)をはじめ社内研修にも力を入れている。加えて、「ライフスタイルを提案するには教養も必要」(同)との考えから、従業員が交代で海外訪問(英国のチェルシー・フラワー・ショーなど)なども行っている。
「いかにお客様に“感動”を与えられるかが重要であると思っています」(同)
(※にいがた経済新聞4月10日号に頸城建工の記事が掲載されています)