MGNETが燕商工会議所で社内起業セミナーを開催
燕市でソーシャルデザイン・コミュニケーションデザイン事業を手掛ける企業MGNETが5日、燕商工会議所で社内起業セミナーを開催した。MGNETの代表取締役の武田修美氏を始め、同社まちづくり事業部の福田恭子氏、同社キュレーターの佐野大輔氏が、企業にとっての社会性や社内起業の重要さをテーマに講演を行った。参加者は県内の企業経営者など総勢約20人。
セミナーでは、4月から始まるMGNETの新たな取り組みが発表された。ソーシャルビジネスを始めるにあたっての仕組みや手法を学ぶ、燕三条地域の企業を中心とした定期講座だ。SDGsやサスティナビリティといった時代に合わせた内容を各社にとっての社会性、事業性、革新性の3要素に落とし込み、本質的な価値創造を目的とした社内起業に取り組むことで、本業に対して好循環を与えるという。
講座の内容は、経営に意思決定権を有する専務等を対象とする「社内起業コース」、工場長や部課長など実質的に会社の中心となる者を対象とする「新規事業コース」、商品開発に携わる若手スタッフを対象とする「商品開発コース」、入社3年目までの若手スタッフを対象とする「社内エース育成コース」の4つだ。各コースは月1回、全12回の開催となっている。武田氏によれば、今後さらに協力の輪を広げ、新潟市でも同様の講座の開催を見込んでいるという。
武田氏は社内起業について、「新規事業を立ち上げようとしても、現代はとにかく手段が多すぎて逆に戸惑ってしまいがちです。常識や時代が大きく変化していく中、私たちのビジネスも今まで考えられなかったことに立ち向かう必要があります。その1つである社会性という、市場性よりも大切な価値のために、一緒に取り組んでいきましょう」と呼び掛けた。
続いて講演した福田氏は、慶應義塾大学在学中、学生に起業・創業という選択肢を持ってもらうため、関連するセミナーを約120回開催するなど、若手でありがながら経験・人脈共に豊かな人物だ。
福田氏はソーシャルビジネスについて具体的に説明。この中で、社内起業に向けての第1歩として、参加者に現在手掛けている事業や今後取り組みたい事業について改めて整理する機会を設けたうえで、「より広く、より新しく、より長く展開するソーシャルビジネスを社内起業として推進する企業を、皆様と共に、燕三条地域に増やしていきたいと思っています」と意気込みを語った。
この後、行政での豊富な業務経験を有する佐野氏は、ソーシャルビジネスを手掛けるに当たっての、MGNETが提供する具体的なサービスとして、企業・団体向けの製品のブランディングやソーシャルビジネスの必要性を周知する社内研修のほか、4月から開始する4つの講座について説明。さらに、ソーシャルビジネスを新規に立ち上げる際の社内プレゼンに当たって、必要な資金を行政からの補助金や委託という形で調達できる点にも触れ、この行政とのやり取りについてもしっかりサポートしていくと語った。
【MGNETが4月から開催する講座詳細】
社内起業コース/主に経営に意思決定権を持つ専務等向け
新規事業コース/工場長や部課長など実質的に会社の中心となる者向け
商品開発コース/商品開発に携わる若手の社員向け
社内エース育成コース/入社3年目までの若手社員向け
各コース定員8組まで
スケジュール/2020年4月より各コース月1回開催、全12回。
このうち、座学6回で各2時間。実践相談会6回で各3時間。
場所/申込者の人数・所在地に合わせて燕三条地域内の会議室を利用
料金/各回5,000円(受講時に担当講師に支払)