新潟大学旭町学術資料展示館(新潟市中央区)で、雛人形と全国各地の郷土玩具を展示する企画展が開催中

企画展では、雛人形と全国各地の郷土玩具を展示している

大学博物館である新潟大学旭町学術資料展示館(新潟市中央区)は、雛人形と全国各地の郷土玩具を展示する「めでたい形-子どもの成長を育む郷土玩具-」を開催している。4月12日まで(休館日は月・火曜日)。会館時間は10:00〜16:30(除・12:00〜13:00)。入場無料。

毎年、新潟市内で開催されている「湊にいがた雛人形町めぐり」との連携企画で、桃の節句に合わせた雛人形と、阿賀野市の故・石田正平氏が長年にわたって収集した全国の郷土玩具を展示している。石田氏の収集した玩具は、石田氏の子息が、新潟大学教育学部准教授の永吉秀司氏に寄贈したもの。企画展では日本画家でもある永吉氏が郷土玩具を描いた写生画も展示している。

高松張り子

【写真】すげの馬(妙高市)
【写真】チンチンウマ琉球張子
【写真】三角だるま(阿賀野市)

 

新潟大学旭町学術資料展示館は、新潟大学の学術研究を通して収集・蓄積された標本類、実験器具、美術作品、古文書等の貴重な資料を広く公開する大学博物館。

理学部関連では、新潟県内のジオパークの化石や岩石などを展示している。また歯学部関連では、歯科医療の近代史として、江戸時代から昭和初期における歯の治療や口腔衛生に関する資料を紹介。具体的には、歯茎の部分が木で作られた入れ歯、お歯黒用具、お歯黒をした女性の希望で使われていた黒い色の人工歯、大正の末から昭和初期の歯科医学書と口腔衛生に関する患者への説明図など、当時の歯科医療を垣間見ることのできる資料がそろっている。

医学部・人文学部関連では、医学部の故・小片保教授が収集した1,800体にのぼる人骨標本を展示。この人骨標本は、日本有数のコレクションで、縄文人骨が約400体、古墳人骨が約300体あるのが特徴という。また人骨の変遷コーナーでは、実物資料で縄文から弥生・古墳・中世・近世・現代の各時代の標本を紹介しているほか、体験コーナーでは、貝塚の貝殻、黒曜石原石、木製品などに触れることができるようだ。

新潟大学旭町学術資料展示館では、この常設展に加え、企画展を年に14〜15階度開催していて、現在も、先述した「めでたい形-子どもの成長を育む郷土玩具-」のほかに、教育学部芸術環境講座・郷晃教授による彫刻小品展を開催している。

郷教授は石材を主とした彫刻表現を研究テーマとして,国内のみならず,国外でも多くの作品を発表してきた。実際に展示する彫刻作品の制作前に、焼成ガラス(ワインの瓶など)を用いたミニチュア模型を制作するようになり、次第にそれ自体が作品になっていた。今回の企画展では、こうした焼成ガラスを素材としたボックスアート作品を展示している。

教育学部芸術環境講座・郷晃教授による彫刻小品展も開催されている

 

 

建物は旧制新潟師範学校の児童博物館で、国の登録有形文化財にも認定

一方、新潟大学旭町学術資料展示館ホームページなどによると、同資料展示館の入る建物は、旭町キャンパスにあり、1929年(昭和4年)に建築され、当初から(新潟大学の前身の一つである)旧制新潟師範学校の児童博物館として利用され、2階には講演や講義のためのスペース、宿泊するための和室(別棟)などもあったという。

2001年(平成13年)12月に、大学所蔵の貴重学術資料を広く学内外に公開することを目的に、 建物内に「新潟大学旭町学術資料展示室」(通称:あさひまち展示館)が設置され、2004年(平成16年)4月、現在の新潟大学旭町学術資料展示館に名称が変更されている。

なお新潟市域に現存する昭和初期の鉄筋コンクリート造の建物としては最古級の建物で、2005年(平成17年)11月、国の登録有形文化財に認定されている。

【新潟大学旭町学術資料展示館】
住所/新潟市中央区旭町通2番町746
開館日時/毎週水〜日曜日10:00〜12:00、13:00〜16:30
※毎週月・火曜日、12月29日〜1月3日は閉館
※その他、都合により臨時休館することがある
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新潟大学旭町学術資料展示館。新潟市域に現存する昭和初期の鉄筋コンクリート造の建物としては最古級の建物だ

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