新潟スワンエナジー株式会社(新潟市中央区)が事業開始報告会を開催、太陽光PPA事業第2号は満願寺浄水場(新潟市秋葉区)
新潟スワンエナジー株式会社(新潟市中央区)は27日、新潟市役所において事業開始報告会を実施した。報告会では、太陽光発電PPAモデル事業の第2号案件となる満願寺浄水場(新潟市阿賀野市)での事業開始など3つの事業開始について説明された。
新潟スワンエナジーは2月より、3つの事業に順次取り組んでいく。
1つ目は、新潟市水道局が管理運営する満願寺浄水場での「太陽光発電システムPPAモデル」事業。「太陽光発電PPAモデル」とは、第三者が需要家の敷地や屋根などを借用して、太陽光発電システムを設置し、発電した電力を一定期間需要家に販売するもの。
今回導入する満願寺浄水場は、初期投資ゼロで太陽光発電の再エネ電力を使うことができ、かつ電気代を削減できるほか、災害などによる停電時の電源としても活用ができるという。
この「太陽光発電PPAモデル」は、2021年3月に第1号案件として新潟市中央卸売市場にて事業が開始されており、満願寺浄水場は第2号案件となる。事業開始は2月からで、既に満願寺浄水場の敷地内には、太陽光発電システムの設置が既に完了している。発電容量は645kW、年間発電量は約65万キロワット時、CO2削減効果は304t/年を想定しているという。
2つ目の事業は、水道施設のポンプを活用したデマンドレスポンス事業への参入だ。デマンドレスポンス(DR)とは、需要側の負荷や発電設備を制御して、調整力や供給力を提供することであり、新潟スワンエナジーは水道施設における送水ポンプを節電指令によって制御するなどをして調整力供出を行う。
事業参入にあたり、2021年7月から9月にかけ、阿賀野川浄水場(新潟市江南区)と満願寺浄水場を対象に、複数回の実証実験を実施。実験の結果、水道水の安定供給を維持しながら、2施設合計で施設の電力使用量を通常より1時間あたり約600kW調整できることを確認できた。同2施設にて4月から本格運用を予定しており、事業開始に向けた準備を進めているという。
3つ目は、株式会社ゼロボード(東京都港区)が開発したブロックチェーン技術を活かした電源構成見える化システムの導入だ。電力を消費する需要家が割り当てられる電源構成の見える化を実現するもので、発電および電力使用量データをリアルタイムで取得。どこの再エネ発電所から生まれた電気がいつどのくらい使われていたかを正確に確認できるようになり、地域再生エネルギーの価値をリアルタイムで証明することが可能になるもの。電源構成見える化システムは4月から導入され、その後新潟市の区役所などに、電力状況を表示させるモニター設置していく予定だという。
新潟スワンエナジーは、2019年7月に地域の低炭素化と地域経済の活性化の好循環を生み出すことを目的として新潟市、JFEエンジニアリング株式会社(東京都千代田区)、株式会社第四北越ファイナンシャルグループ(新潟市中央区)が連携して設立。同社は、今後も積極的に地域の再生可能エネルギーを調達、創出、活用することを通じ、地域の地産再生エネルギー電源比率の向上および地域の再生可能エネルギーの主力電源化に貢献していくという。
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