DXを推進する小柳建設株式会社(新潟県三条市)で女性現場技術者が誕生
土木・建築工事の請負、建設DX技術の開発などを行う小柳建設株式会社(新潟県三条市)は、2015年から社内でDXを推進し、様々な働き方改革に取り組んでいる。
建設業界は「男性が多く、女性が働きづらい」というイメージが未だ強く残っている中、同社は女性が働きやすいと感じる環境を整え、1人ひとりのワークライフバランスを尊重するなど社員がより活躍できる環境づくりに取り組んできた。性別経験問わず社員の「チャレンジしたい」という気持ちを応援し、このたび新たに女性の現場技術者が誕生した。
建設業界は従来から男性が多い業種で、3K(きつい・汚い・危険)の印象が未だ根強く残っており、そのため女性には向かない仕事と捉えられてしまいがちだ。女性の比率は上昇傾向にあるというが、建設業界全体での女性の就業者は約15%。技術者や技能者など現場で働く女性の比率も約5%と、他の産業と比較すると全体として現在も低い状況にある(国土交通省「建設業における女性の活躍推進に関する取組実態調査」調べ)。
同社では2012年より、社員を部署・部門よりさらに細かいチームに分け、全員で経営する意識を持つ「アメーバ経営」を導入。どうしたら働きやすい職場になるかを社員1人ひとりが主体的に考え、改善を繰り返すことで残業時間は削減、有給取得率もアップしている。性別経験問わず「チャレンジしたい」という社員の気持ちを優先することで、これからの建設業界を担う新たな人財が日々誕生しているという。
同社ではかねてより、定期的な現場の安全確認を女性社員が中心になって行う「女性の安全パトロール」を実施している。あえて現場経験がない女性社員が点検を行うことで、日々過ごす中では当たり前だと思っていたことが実は危険な状態だったということを防ぎ、安全性をより高めることに繋がっている。
同時に女性目線で現場の在り方を考える機会となり、現場や現場事務所も清潔で美しく、女性が働きやすいと感じる環境を整えることができているという。同社では、そんな女性目線での「働きたい現場の在り方」を積極的に取り入れ続け、これまで男性社員が主だった現場で「技術者として働きたい」という声が女性社員から上がっているという。
この度、女性の安全パトロールとして活躍していた事務職社員から、現場技術者としてキャリアチェンジし、新たな一歩を踏み出した社員が誕生した。
2017年4月新卒入社の女性社員は、「学歴に関係なくチャレンジができる環境に惹かれ、いつかは自分も現場に出て仕事をしてみたいという目標を持ち、まずは事務職として入社しました。『技術者は男性が多い』『休日出勤・残業が多い』というイメージがありましたが、実際に現場に立ってみると、柔軟な働き方を選択でき、技術者同士の連携やフォローが充実。現在は先輩技術者の下で学びながら楽しく仕事をすることが出来ています。今後は社内制度も利用して資格を取得し、現場代理人として一つの現場を担当することが目標です」とコメント。
2015年6月にキャリア入社した女性社員は、「土木建築系の分野未経験で入社し、事務職としての経験を経て、新たな挑戦として技術者としての道へ進むことを決めました。当初は女性には向かない仕事だというイメージを持っていましたが、チャレンジすることを応援してくれて、DX が進み、残業時間も殆どなく休みがとりやすい環境が整っているため、安心して挑戦できました。今後は総務での経験を活かしながら、新たな視点から現場での改善を進めていきたいと考えています。先陣となって女性技術者でもさらに働きやすい環境を作っていきたいです」とコメントした。
同社は今後もDXを推進し、建設業界の新たな働き方を実践しながら、事業で地域や社会に貢献していくとしている。