東京商工リサーチが「新潟県内企業 新型コロナウイルスに関するアンケート」の結果を公表
株式会社東京商工リサーチは28日、「新潟県内企業 新型コロナウイルスに関するアンケート」の結果を公表した。
県内企業を対象にした、このアンケートで、有効回答を得た314社のうち、「中国に拠点を持つ企業」は32社(10・2%)、「中国企業と取引がある」企業は76社(24・2%)だった。
アンケート結果によると、「新型コロナウイルスの影響」については、全国では66.4%(12,348万社中8,207社)が「すでに影響が出ている」、または「今後影響が出る可能性がある」と回答したが、新潟県内企業でも、有効回答を得た314社のうち、「すでに影響が出ている」が51社(16.2%)、「今後影響が出る可能性がある」が137社(43.6%)で、計59.8%に「影響が出ている、もしくは出る可能性がある」という結果になった。
「影響が出ている、もしくは出る可能性がある」比率が最も高いのは製造業(107社中82社、76.6%)だった。次いで卸売業(66社中50社、75.8%)、金融・保険業(3社中2社、66.7%)、小売業(26社中14社、53.8%)と続く。
一方、建設業や農・林・漁・鉱業は全国、新潟県ともに「影響なし」という回答が多く、内需型の企業は、新型コロナウイルス拡大の影響は緩やかである実態がうかがえた。
「すでに影響が出ている」と回答した企業(51社)のうち、17社が「現地サプライヤーからの仕入が困難となった」と回答、同様に17社が、「現地(中国全土含む)への出張の中止、延期」と回答した(複数回答)。
「今後影響が出る可能性がある」と回答した企業(137社)のうち、約半数の企業(63社)が「売上(来店客)の減少」と回答した。次いで「現地サプライヤーからの仕入れ困難」(45社)が多かった(複数回答)。
今後の感染拡大による懸念について最も多かったのは、「中国の消費減、経済の低迷」(297社中171社)、次いで「サプライチェーンへの影響」(297社中104社)となった。
こうした中、新潟県や新潟市では、3,000万円を限度額とした経営支援特別融資を実施すると発表している。だが、今年は少雪だったところに、イベントの中止が相次ぎにより、宿泊施設などで深刻な影響が出始めている。東京商工リサーチの調べでは、新型コロナウイルス影響による全国初の経営破綻事例(株式会
社冨士見荘、愛知県蒲郡市、設立1956年、資本金9,600万円、名古屋地裁豊橋支部への破産申請)が出ているほか、県内でも阿賀町のホテルが3月より休業するとの報道もあり、今後の影響拡大を心配する声が高まっているという。