新潟県の休廃業・解散は999件(2021年)と2年連続減少するも減少率は鈍化 、帝国データバンクが調査
株式会社帝国データバンク新潟支店は、新潟県内に本社がある企業(個人事業主を含む)の「休廃業・ 解散」動向を調査し、26日にその要旨を公表した。
調査は帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースをもとに集計した。また、「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整埋)によるものを除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記などで解散(ただし「みなし解散」を除く)を確認した企業の総称のこと。
調査結果(要旨)によると、2021年に休業・廃業、解散した新潟県の企業(個人事業主を含む)は前年から48件(4.6%)減少し999件となった。件数は2年連続で減少したものの、減少率は2020年(14.9%)と比較すると、大幅に縮小している。
一方、新潟県の企業倒産件数(法的整理)に目を向けると、2021年は43件(前年比42.7%減)。休廃業・解散件数の減少率は「(コロナ禍の支援策などで低水準が続く)倒産」 を大きく下回ったほか、件数を「倒産」と比較すると、23.2倍と過去最高を記録するなど高水準で推移している。
休廃業・解散した企業の代表者年齢は、2021年平均で70.8歳。年代別の構成比では「70歳代」が43.7%と最高。80歳代以上(18.1%)をあわせた「70歳代以上」が初めて6割を超えた。事業承継がスムーズに進まず、各種支援から取り残された企業で代表者の高齢化が進み、休廃業・解散を余儀なくされている可能性があるという。
業種別にみると、「卸売業」(70件)をはじめ、その他を除く3業種が前年から減少した。他方、「小売業」(122件)をはじめとした4業種が増加。「運輸・通信業」(14件)については、母数が少ないものの前年比2.8倍と大きく増加した。
業種をさらに細かくみると、前年比での増加率最高は「無床診療所」(4件→10件、150.0%増)だった。また、前年比で減少率がもっとも高かったのは「土木建築サービス業」(18件→12件、33.3%減)だった。
休廃業・解散企業の従業員数(判明分)は1,689人を数え、消失した売上高は合計315億円に上った(他社が廃業企業などから事業部門を従業員ごと承継するケースも想定され、すべての雇用機会が消失したものではないという)。
また休廃業・解散した企業のうち49.6%が当期純利益で黒字。資産が負債を上回る状態で休廃業・解散となった企業も全体の64.2%におよぶ。採算性を確保し、財務内容を含めて相応の経営余力を残しているにもかかわらず、休業・廃業、あるいは解散した企業が半数を占めたという。