弥彦村議会(新潟県)が3日に開会。新型コロナの影響で厳しい村政運営の可能性に言及

3日に開会した弥彦村議会

 

弥彦村議会が3日に開会し、小林豊彦村長が、新年度当初予算案の説明などを行なった。提出者(首長)による新年度の当初予算案など提出議案の説明は、事前に用意されたペーパーをもとに説明するのが一般的で、この日も小林村長は、ぺーパーをもとに説明。だが、説明し終えた小林村長は、その後、ノー原稿で、コロナウイルスの新年度予算に及ぼす影響について語り始めた。その内容は以下の通り。

「(弥彦競輪は現在無観客で開催されていて、)売り上げは昨年に比べ、3割にとどまっている。(コロナウイルス感染の拡大が)収束しない限り、(村営の)弥彦競輪場は無観客で運営をせざるを得ない。その場合、新年度予算が大きな影響を受けるのは間違いない。さらに、弥彦村の観光収入が大きく減ることも避けられない。そうした中で、今(議員の)皆さんにご提示した予算がそのまま執行できるとは思っていない。相当厳しい事態を迎えることも予想しなければならない。行政を預かる身としては、最悪の事態、例えば4月に予定している記念競輪ができなくなる、あるいは色々な観光イベント、これが全て中止になる、そういう事態さえも予想して、これからの村政運営をこれからの1年、臨んでいかなければならないと覚悟している。議員に皆さんにおかれましても、ご理解いだき、ご協力をお願い申し上げ、提案説明を終わらせていただく」

やひこ競輪場

儲かる農業の実現に意欲

一方、弥彦村の新年度当初予算案の規模は、前年度比±0%の39億8000万円。小林村長は、提出議案の説明の中で、村が独自に進めていた弥彦村の地区別(20地区)推計人口の調査結果について言及。「1月29日に衝撃的な調査報告が私の元に届けられた」と語った。その結果は、20年後には矢作地区を除いて、19の大字すべてが令和2年に比べて大幅に人口が減少。さらにその20年後には、人口がわずか11人、9人、0人という集落も出てくる結果たっという。

「人口の減少と止め、増やしていくためには、(各地区を支えている)農業の活性化が必要。農家1軒あたり1000万円以上の所得を実現することしかない。逆に儲かる農業を実現すれば、若い人が弥彦村に帰ってきて、地域に活気が生まれる」と語った。

「儲かる農業を実現するには、強力な商品がなければならない」が、村には枝豆(弥彦むすめ)があるという。「(日本経済新聞の記者時代、)事業を立ち上げる時、何が難しいか見てきた。マーケットだ。しかし、私たちの枝豆にはマーケットがある。しかも需要は極めて強い。専業農家の中には既に1000万円以上の販売額がある農家もあるので、決して夢物語ではない」と語っていた。

こうした方針のもと、新年度予算では、枝豆の選果場建設(自動選別、箱詰めなどなどを行う施設)と、加工場(形状などから商品として出荷しなかった枝豆を使った加工品工場)の建設を進める事業に3,000万円を計上している。

さらに、この日は語られなかったが、枝豆生産者の後継者不足が課題となっている中、村営の枝豆生産法人を設立する構想もある模様だ。

厳しい財政状況に陥る可能性がある中、いかに儲かる農業を実現していくか。注視していきたい。

小林豊彦村長

 

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