新型コロナの検査結果や新たな3名の感染者の詳細などについて、新潟市が公表
新潟市は3日、新潟市秋葉区で新型コロナウイルスの感染が明らかとなった60代男性患者の濃厚接触者に行ったPCR検査の結果や、2日に新たに確認された患者3人の詳細や行動歴などについて公表した。また、これら患者の行動歴を精査し、市は4日から15日まで、市内81の全公共体育施設の休止を決定した。
新潟市秋葉区の患者の濃厚接触者49人(加茂市の男性を除く)のうち、検体採取済の数は39人。このうち、3日に新たに結果が判明した10人は、いずれも陰性であった(2日判明分は陽性3人、陰性25人の計28人)。残る1人は検体不良のため再検査し、明日4日には判明する予定だという。ただ、陰性となった人でも、市は当面の間、自宅での経過観察を依頼し、症状が出るようなことがあれば再度PCR検査を行うという。
残る検体未採取の10人はほとんどが医療関係者であり、患者との接触から日が浅い現時点で検査を行ったとしても正確な結果を得られないため、しばらく自宅待機した後に検査を実施する見通しだ。
また、この日は、2日に陽性と判明した3人の患者の詳細や行動歴についても、市は現時点で判明している分について公表した。この際、市はメディアの報道を追認する形で、3人の患者はいずれも2月20日、新潟市秋葉区の患者が利用した「エンジョイライフクラブ女池インター校」を利用していたことを明かした。
さらに、このうち1人の患者と秋葉区の患者は18日にも同施設を利用していたという。この卓球施設は全体を中央で仕切り、両側に卓球台を数台配置する形で営業。市は18日と20日に秋葉区の患者が利用した側で卓球をプレイした31人を濃厚接触者として調査を進めているという。
市によれば、2例目の患者は新潟市東区在住で60歳代の女性(無職)で、海外渡航歴はない。この女性の症状は2月22日に悪寒や咳があり、23日から3月1日から時々37度台前半の発熱がみられたが、2日以降は朝に軽い咳が出る以外に症状はないという。
この女性の2月21日以降の行動歴は、25日に新潟市体育館、26日午後7時ころから午後9時ころまで学校開放された沼垂小学校の体育館、27日に鳥屋野体育館を利用したことが判明。さらに、この女性が利用した民間温浴施設のスパ&ラウンジ長潟(新潟市中央区)の詳細な日時などについては現在調査中だという。
3例目の患者は新潟市東区在住で50歳代の女性(無職)で、海外渡航歴はない。この女性の症状は2月23、24日に38~39度の発熱がみられたが、25日には解熱し、現在は倦怠感が残るのみだという。
この女性の2月21日以降の行動歴は、21日に新潟市亀田体育館を利用したことが判明。さらに、この女性が利用したスパ&ラウンジ長潟の詳細な日時などについては、2例目患者と同じく現在調査中とした。
4例目の患者は、新潟市中央区在住の40歳代(2日時点では50歳代との発表だったが市の誤り)の男性(自営業)。具体的な業種について、市は「不特定多数が利用するような業種であれば公表するが、そうでなければ非公表で調査を続ける」として言及しなかった。男性の症状は2月24日に37度台の発熱があり、27日以降は38~39度台の発熱がみられるという。
この男性の行動歴については、20日以前に18日にも1例目の患者と「エンジョイライフクラブ女池インター校」を利用していたという。
こうした状況を受けて、新潟市は、4日から15日までの間、新潟市内81の全体育施設の利用休止を決定した。市は理由として、2日に新たに陽性となった患者3人がスポーツ施設を利用する中で感染した可能性が高いことや、これら患者が複数の公共の体育施設を利用していたことを挙げた。ただ、民間のスポーツ施設については市から営業自粛などを呼び掛ける予定はなく、個々の事業者の判断に任せるようだ。
また、患者らが利用した体育施設などの具体名を明らかにした理由について、市は「不特定多数の人が利用する施設であり、公表することで広く呼びかけ、体調に不安を覚える利用者に保健所に相談するなどしてもらい感染拡大の防止を図る。また、患者の方々がこの他の体育施設を利用していたことが、今後の調査で明らかになる可能性も考えられるため」と説明した。ただ、これら患者が利用した体育施設での濃厚接触者となりうる人の全体数については、市も現時点では把握しきれておらず、今後、現行の体制をさらに拡充する形で対処する見通しだ。