帝国データバンクが、新潟県「休廃業・解散」動向調査(2019年)を公表
帝国データバンク新潟支店は4日、新潟県「休廃業・解散」動向調査(2019年)を公表した。経営実態が確認されていた企業の休廃業・解散を対象に集計。「休廃業」は企業活動を停止している状態を、「解散」は主に商業登記などで解散を確認した場合を指し、経営実態のない登記整理(「みなし解散」など)は含まないと、それぞれ定義した。
調査によれば、新潟県の2019年1~12月の「休廃業・解散」件数は、前年比で6・6%減の632件と、3年連続で減少した。このうち、経営者が自主的に経営や事業を畳むケースを含んだ「休廃業」件数は329件と2年連続で減少。「解散」件数も303件と前年比で減少した。ただ、「倒産」件数73件に対する「休廃業・解散」の倍率は8・7倍(前年8・5倍)と依然として高水準で、全国の2・8倍を大きく上回っている。
代表年代別にみると、リタイア適齢期に当たる70代が186件(構成比36・3%)となり、3年連続で全年代中最多となった。最多の年代は、10年前の2009年の60代から17年には70代に到達。平均年齢は69歳となり、上昇傾向にある。後継者不在の中、特に代表者が高齢化したことで事業継続が困難となったケースが多いようだ。
業種別では、「その他」を含む全8業種中2業種で前年を上回った。なかでも「サービス業」(129件、構成比20・4%)の増加率が大きく、前年から12・2パーセント増加し、3年ぶりの前年比増となった。一方、減少となった6業種のうち、「建設業」は180件(28・5%)となり最多となったが、件数は2017年以降3年連続で減少した。このほか、「卸売業」(74件、同11・7%)、「小売業」(125件、同19・8%)も、18年以降2年連続の減少に転じた。
都道府県別では、件数でみると2019年最多となったのは「東京都」の2582件で、総じて企業数の多い大都市圏で件数が多く発生しており、「新潟県」は632件で12位。ただ、休廃業・解散の率で見ると、「新潟県」は1・97%で47都道府県中6位となり、依然として全国的に高い水準が続いているという。