移動によるストレスを与えない「愛犬のための移動サロンカー」を運営する(一社)LAVIE(新潟市)
世界的に使われているハズバンダリートレーニングの概念を用いたトリミング
一般社団法人LAVIE(新潟市江南区、畔上陽子代表)は2018年11月、新潟市内で初となる愛犬のための移動サロンカー「Dog healing Doux(ドッグヒーリングドゥ)」の運行を開始した。「新潟初のわんちゃんの為の移動サロンカーで、子犬からシニア犬までトリミング、トレーニング、食事のお悩みに寄り添いサポートしています」と店長の堂前勇樹氏は話す。
移動サロンカーの最大の特徴は、「わんちゃんが自らトリミングをしてもらいに近づいてくる世界的に使われているハズバンダリートレーニングの概念を用いたトリミングを行っていること」(堂前氏)だ。また、県内で新型コロナウイルス感染者が出ているなか、サロンカーが自宅前まで行くため、外出が不要だ。
料金は、犬種によって異なるが、4,800円からとなっている。また20km以内の移動は無料で、20kmを超えた場合、10kmごとに900円が加算される。新潟市内の場合、多くのエリアで、移動料金は無料また三条市でおよそ2,000円、長岡市でおよそ3,000円という。決して高くない料金だが、トリミング後にストレスで体調を崩す犬もいるなか、「移動や待ち時間によるストレスを愛犬に与えたくない」という飼い主の想いから、長岡市での利用する人もいるという。
堂前氏は仙台市出身。岩手県大船戸渡市にある北里大学水産学部(現海洋生命学部)で研究生をしていたが、東日本大震災で海での研究ができなくなったことから、かねてより関心のあったペットショップで働き始めた。その後、畔上代表と出会い、「犬に負担をかけないトリミングを立ち上げよう」と誘われた。こうした中、愛犬が3年前、アジソン病を患い、ストレスを処理できなくなってしまい、トリミングに出すと震えるようになった経験もあり、誘いを受けた。現在、堂前の妻でトレーナーの岬氏とともに移動サロンカーの運営を行っている(岬氏はWan国際ペットワールド専門学校を卒業後、長年新潟市のペットショップで働らき、結婚後は仙台市の動物愛護センターなどで働いた経験を持つ)。
多くのサロンが1人でシャンプーやカットを行うが、堂前氏夫妻は2人で行う。このため、1人が犬を支えることができ、高齢犬を中心に、体への負担を軽減することができるのだ。「車内に一緒に入り、見てもらうことも可能です。また自宅に駐車スペースがない場合、近くの駐車場に移動サロンかーを停めて、自宅の風呂を借りて行うこともできます」(堂前氏)と話す。
また、移動サロンカーの最大の特徴と言えるのが、冒頭で紹介した通り、ハズバンダリートレーニング(オプションサービスで10分1,500円)を提供していることだ。ハズバンダリートレーニングとは、動物に苦痛を与えないために行う「しつけトレーニング」。わかりやすくいえば、怯える犬に無理やり、爪切り、耳掃除、ブラッシング、トリミングなどを行うのではなく、「これをやることは痛くない。いいことだ」という成功体験を積ませ、少しずつ楽しいひと時だということを覚えていってもらう方法だ。例えば、爪切りの時はあごを台の上に乗せているとフードが貰えることを反復学習させるといった具合だ。
実際、2人の手掛けるトリミングでは首輪をつけていないし、いつでも逃げることができるようになっている(ちなみにアジソン病を患い、トリミングの際には震えが止まらなかったという堂前が勝っていた犬も、ハズバンダリートレーニングで震えなくなったそうだ)。
このほか、ワンポイントしつけ相談&トレーニング、食事相談、酵素入浴などのオプションサービスも揃えている。
地産地消の手作りフードの提供も
一方、地産地消にこだわった手作りフード「犬のうんめもん」の提供も行っている。15種類以上の野菜(すべて西区産の無農薬野菜)と、鶏肉(新潟県産)か魚(できるだけ佐渡の魚を使用)、玄米(県産)、天然の塩が入っている。価格は3個セット(3,000円+税)、5個セット(5,000円+税)、10個セット(10,000円+税)。栄養価が高いことに加え、「不足しがちな水分や塩を摂取することができます」(同)。また一回食べきりではなく、ドッグフードにトッピングしながら食べさせること可能だ。