新潟大学との共同研究成果を活用し、キューティクルを修復するシャンプー、ドライヤーなど販売するハニエル(新潟市東区)

ドライヤーは販売開始5年で累計販売台数が60万台突破

復元ドライヤーPro。2019グッドデザイン賞を受賞している

「ドライヤーで髪の毛を乾かしていたら髪の毛が傷んだ」。こんな経験をした方は多いと思う。こうした中、株式会社ハニエル(新潟市東区)が、物理と化学の見地から、仮説と検証を繰り返し、髪の毛を傷めないドライヤーを開発、注目を集めている。大阪のLOUVREDO社へ重要な心臓部のフィルターの原料供給をハニエルが行っている。又、ハニエル社では、唯一復元ドライヤーの正規代理店として販売も行っている。

後述するが、同社は、ルーマニアで皮膚などを研究してきた杉山保行氏が代表取締役を務める会社で、ドライヤーやシャンプー、トリートメントなどを販売している。関連会社に、新潟大学などとともに皮膚や髪の毛の研究を行ったり、化粧品をOEM供給したりする株式会社ヘイゼル・トンプソン(新潟市東区、杉山保行代表取締役)がある(OEM供給の製品としては、ドラッグストアなどで有名なフジコシリーズなどがある)。

一般的なドライヤーは、大容量の熱風で髪の毛を乾かすため、髪の毛の内部を傷めてしまうという。一方、同社のドライヤー「復元ドライヤー」は熱風を使用しない。ドライヤーの風は、髪の毛に当たる段階で42〜43度程度と低いのだ。代わり赤外線で乾かすという。この赤外線を、放射率が高まるよう何度も検証を行って開発したフィルター(ダイヤモンドにつぐ硬度を持つルビーのパウダーを練りこんだフィルター)を通して、髪の毛に当てて乾かす(髪の毛の表面の水だけを飛ばす)。

ドライヤーと髪の毛との距離(約20cm)なども、測定器を使って最適な距離を算出した。距離が大事になるため、いつもの癖でドライヤーを振ると逆に乾きにくくなる。

赤外線だけでなく電子も当てている。人の細胞は電子で動いていて、「老いる」とは電子の減少を指すというが、逆に電子の増加は、アミノ酸結合を活性化させ、人体内部の様々な損傷を修復させる力があるという。

髪の毛は、細胞のようには生きてはいないが、死んだ皮膚が剥がれるようには抜けず、皮膚にくっついている。この髪の毛も電子を当てることでキューティクルを修復できるのだ(本当に再生できるのかと疑問を抱く人もいると思うが、実際、大手製薬メーカーが最近、髪の毛と同様に生きてはいない角膜を修復できると謳った目薬を発売している)。

第一弾の製品は5年前に、業務用(美容室向け)の「エレクトロン(復元)ドライヤー」。これまでに60万台以上発売したほか、2018年にはアットコスメのクチコミランキング美容家電部門で1位になっている。2018年には、美容室や高級ホテルのスイートルームに設置することを意識し、さらに特化した商品「復元ドライヤーPro」を発売し、2019グッドデザイン賞を受賞している。さらに、昨年12月24日に、一般向け商品になる「CALEA(カレア)」を家電量販店に発売した。

現在のアンチエイジングの基となっている基礎研究に従事

ハニエルと、ヘイゼル・トンプソンの代表取締役である杉山保行氏は、1980年代、老化予防などを研究するルーマニア国立加齢化学研究所(旧・国立老人医学研究所)で、現在のアンチエイジングの基となっている基礎研究に携わった経験を持つ。帰国後の93年には、老齢学の基づく皮膚生理学の研究を開始し、95年には新潟大学工学部機能材料工学科(太田雅壽助教授)と、「皮膚と毛髪構造の共同研究室」を開設した。この頃から、すでに電子(電子伝達)の生体エネルギーに着目していたそうだ(なお現在も、新潟大学工学部の八木政行教授と共同研究を行っている)。

杉山保行代表取締役

こうした研究成果は学会でも発表。2008年から7年連続で、「毛髪の再生」「キューティクルの修復機構」「紫外線照射損傷に対するシャンプー・トリートメント効果」を発表している。

さらに、20年ほど前から、化粧品、シャンプー、トリートメントなどの商品づくりにも活かしている。商品は、ハニエルブランドなどで、シャンプー、トリートメント、化粧品、美容器具などを販売している。

商品の多くが、美容室向けなど業務用だが、一般向け商品「ジェロントロン」もある。ジェロントロンのホームページによると、この製品は、新潟大学工学部機能材料工学科 機能物質第2研究室にて、杉山博士(杉山代表取締役=工学博士でもある)によって電子放出成分が損傷したキューティクルにいかに働きかけるのか、電子顕微鏡にて特定した研究成果を製品化したもの。キューティクルの自己修復能力を促進し、損傷やダメージによるクセ毛を修復させるという。

「週1回の自分へのご褒美として使っていただきたいと考えています」と杉山氏は話す。

【株式会社ハニエル 概要】
住所/新潟市東区逢谷内6−8−3
設立/平成11年
業務内容/ヘアケア、スキンケア商品の製造販売
サイト/https://hanniel.co.jp/

ジェロントロン

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓