県議会はが27日に開催され知事の辞職を同意
今月18日に米山隆一知事(当時)が県議会議長あてに辞表を提出したことから新潟県議会の臨時会が27日に開催され、知事の辞職が同意された。
米山前知事の挨拶は以下の通り。
このたび一身上の都合により任期半ばで知事の職を辞するにあたり、県議会議場でのご挨拶の機会を与えて頂きましたことに、心から感謝申し上げます。先般週刊誌によって報道されました女性問題によって多くの県民の皆様に、失望と政治に対する不信の念を抱かせ、県政を混乱させてしまいました政治的道義的責任をとって、さる4月18日辞表を提出し、ただいま同意をいただきました。
この問題はひとえに私の至らなさによるものであり、改めてすべての新潟県民の皆様に心よりお詫び申し上げます。
既に知事職にない私が言うべき立場にないことは重々承知しておりますが、日本には武士の情けという言葉もございます。繰り返しすべて私の不徳の致すところではありますが、この場をお借りして県政について、皆様に勝手の願いを申し上げることを、お許し下さい。
県政には今、様々な課題があります。原発問題はその大きな課題の一つです。この問題に対しては、様々な意見があり、その中に県として取り扱い難い?問題だという意見があることももちろん承知しております。しかし、私は、住民の生活に密着する地方自治体だからこそ、福島第一原発事故が人々の生活にもたらしたものから、原発問題から、私たちは目をそらしてはいけないと思います。そして同時にこの問題が地域に抜きがたい分断をもたらす事態になることをまた絶対に避けなければならないことだと思っています。今後原発問題がどのように進むのかそれは今の私が気にすることではありません。しかし、この新潟に住むこの故郷に住むみんなが福島第一原発事故がもたらしたもの、原発事故というもの、原発というものを直視し、共通の土台に立って、最終的に民主主義のプロセスによって、一つの方向を作っていく取り組みをぜひ続けて頂きたいと心より思います。
人口減少問題は新潟県の私たちの存続にかかわる喫緊の課題です。この問題の特効薬はありません。誰がどのように取り組んでも、一朝一夕に解決するものではないでしょう。しかし現実を謙虚に見つめれば、改善すべき点は、?。私たちは今までの暮らしの中で人間らしく生きることを?にしてきました。誰もが人間らしく暮らせる県政を粘り強く根気よくぜひ実現していただきたいともいます。
この中で医療、介護、福祉は最初に大きな課題に直面します。必要としている人が必要な福祉を受けられない悲劇を生み出さないために、現実に即した様々な調整と未来を見越した計画が必要です。個人で対処しきれない不幸によって、希望を失ってしまう人を決して作らない適切な医療、介護、福祉をぜひ整備維持していただきたいと思います。
働くすべての人が、将来希望をもてる産業を作り出していくことは、新潟の活力を生み出していく源泉です。我々の予想しなかったところで変わりゆくこの社会の中で新潟が新しい夢を創出する場であり続けるために、時代と民間のそれぞれのニーズに即した産業政策をぜひ実現し続けて頂きたいと思います。
新潟の誇りである農業は、未来の産業であると同時に、私たちの故郷である中山間地の暮らしの基盤です。ぜひ、それぞれの実情に合わせて、それぞれの農業を守り育てて頂きたいと思います。そしてそのすべてを支えるのが、町であり町を繋ぐ交通網であり、その安全を確保するインフラです。一人一人の県民の皆様が暮らしやすい町、行きかいやすい交通、安心して暮らせる県土をつくり、気力にあふれ、多くの方が?住み、訪れる新潟をぜひ作っていただきたいと思います。そして最後に、新潟の未来が、いま社会に出ている私だけで作ることができるものではありません。これから社会に出る若者たち、これから生まれてくる子供たちの新しい柔軟な力を借りなければ、新潟の未来を創ることはできません。若者たち、子供たちの未来を創ることが、新潟の未来につながります。ぜひ若者たち、子供たちの教育に力を作っていただければと思います。
自らの不徳で去り行くものとして、誠に、勝手なことを申し上げました。どうかお許しください。短い間でしたが、この議場で、皆さんと県政の様々な課題について活発な議論を交わしながら新潟の未来を語り、その未来を創る一翼を担えたことは本当にありがたいことでした。心から感謝申し上げます。大変ありがとうございました。
そして、この取り組みを県の職員の皆さんが、本当に一生懸命働いて、実現してくれました。心から感謝申し上げたいと思います。大変ありがとうございます。
そして何よりも多くの県民の皆様が、私のこの機会を与え、見守ってくださいました。県民の皆様一人一人に、心から深く感謝申しあげるとともに、私の不徳の至りで皆様の期待に反しこのような、事態に至ってしまいましたことに改めて心から深くお詫び申し上げます。いままで大変ありがとうございました。そして、大変申し訳ありませんでした。
しかし、それでも私は新潟県民の皆様の力と新潟の未来を信じています。大変ありがとうございました。