新潟交通株式会社(新潟市中央区)が2022年3月期第3四半期決算、前年同期に比べて需要回復の兆しが見られるも感染症拡大前の水準には至らず

新潟交通のバス

新潟交通株式会社(新潟市中央区)は9日、2022年3月期第3四半期決算を発表した。売上高は110億5,900万円(前年同期は100億2,400万円)、営業利益は△5,100万円(同△10億5,200万円)、経常利益は△1億4,800万円(同△10億1,100万円)、親会社株主に帰属する純利益は△2億4,400万円(同△7億6,600)万円だった。

同第3四半期連結累計期間、新潟交通では、利用者と従業員に対する感染防止対策を徹底しながら営業活動を行い、経営基盤の強化に努めたという。その結果、前年同期に比べて需要回復の兆しが見られたものの、感染症拡大前の水準を下回る状況はつづいている。

なお同社は、第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用している。これに伴って、当第3四半期連結累計期間における経営成績に関する説明は、売上高については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、前第3四半期連結累計期間と比較しての対前年同四半期比(%)は記載していない。

また新潟交通では同日、業績予想についての発表も行った。同社は2022年3月期の業績予想について、これまでは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、業績への影響を合理的に算出することが困難であるため未定としていた。しかし今回、2022年3月期第3四半期業績と第4四半期の事業進捗状況を鑑み、現時点において入手可能な情報に基づき算定した業績予想を公表した。

新潟交通が今回発表した、2022年3月期通期連結業績予想数値の売上高は141億円(2021年3月期は136億3,000万円)、営業利益は△4億円(同△9億1,200万円)、経常利益は△6億円(同△8億7,900万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は△7億円(同9億7,200万円)。

2022年3月期第3四半期決算のセグメントごとの業績は、次のとおり。

 

運輸事業

一般乗合バス部門では、日々の運行データをもとに2021年11月20日にダイヤ改正を行い、利便性の向上に努めたという。

また、新潟交通路線バス一日乗車券「ぶらばすチケット(電子チケット)」が購入できる地域アプリ「りゅーとなび」を開設し需要喚起を図ったことや、行動制限の緩和による利用者増加により、一般乗合バス部門全体では前年同期比増収となったが、その回復は限定的だった。

高速バス部門では、都市間高速における降雪による計画的な高速道路通行止めの影響に伴い、一部路線で運休を行ったものの、行動制限の緩和による利用者増加により、高速バス部門全体では前年同期比増収となった。

貸切バス部門では、「使っ得!にいがた県民割キャンペーン」の効果や、修学旅行を主とした学校関連を中心に受注したことなどにより、前年同期比増収。

この結果、運輸事業の売上高は50億200万円となった。

 

不動産事業

昨年9月にリニューアル工事が完了した万代シテイにおいて、初開催となるクリスマスイベントを12月に開催するなど、集客を高める販売促進や催事・イベントを企画実行して街区の新しい魅力の発信に努めたことや、行動制限の緩和による来街客の増加により、賃料収入および駐車場収入は前年同期比増収となった。

この結果、不動産事業の売上高は20億8,600万円となった。

 

商品販売事業

観光土産品卸売部門では、イベントや催事での商品販売が堅調に推移したものの、催事売店を撤退した影響などにより、前年同期比減収となった。

この結果、商品販売事業の売上高は、11億1,700万円となった。

 

旅行事業

旅行事業では、「使っ得!にいがた県民割キャンペーン」の効果による、募集型企画旅行(くれよん)の県内への旅行需要の取り込みおよび、修学旅行を主とした学校関連を中心に受注したことなどにより、前年同期比増収となった。

なお、「収益認識に関する会計基準」等を適用前に換算した場合においても、前年同期比増収となる。

この結果、旅行事業の売上高は9億300万円となった。

 

旅館事業

新潟市内の「万代シルバーホテル」、佐渡市内の「国際佐渡観光ホテル八幡館」ともに引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、宿泊・宴会需要の低迷は続いているものの、「使っ得!にいがた県民割キャンペーン」の効果や、催事団体客の受入などにより売上高は前年同期比増収となった。

この結果、旅館事業の売上高は6億8,700万円となった。

 

その他事業

広告代理業においては、各種イベント関連の収入やバス広告などの広告収入が増収となったことにより好調に推移した。「収益認識に関する会計基準」等の適用により、前年同期比減収となったものの、「収益認識に関する会計基準」等を適用前に換算した場合においては前年同期比増収となる。

航空代理業においては、ワクチン集団接種会場の運営業務を受託するなど、新たな収益確保策を実施したが、国内線の減便が継続している影響もあり、前年同期比減収となった。

清掃・設備・環境業においては、環境部門におけるリサイクル単価の上昇や定期収集、定期清掃等の受注により、前年同期比増収となった。

この結果、その他事業全体の売上高は12億6,300万円となった。

 

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