新潟市が「教育委員会と市立学校における事務の執行」をテーマとした包括外部監査を実施
新潟市の包括外部監査人を務める今井慶貴弁護士は10日、同市の中原八一市長へ「教育委員会と市立学校における事務の執行」に関する監査結果を報告した。
包括外部監査は、自治体が毎会計年度に1人の外部監査人と契約し、外部監査人がテーマを決めて地方公共団体の「財務に関する事務の執行及び経営に係る事務の管理」を監査するもの。新潟市では1999年度から実施されているが、学校・教職員関連のテーマとなるのは初めて。
今回は、新潟市立の全学校へ対してwebアンケートを実施。監査結果では、主に学校の私会計や教員の働き方改革、設備の修繕が焦点となった。
私会計の問題では、給食費などの未納金回収体制の不備が市長への報告の中で話題に上がった。こうした問題を解決するため公会計化の流れはあるものの、それに伴う業務体制の構築や、例えば給食においては学校ごとに地域の素材を使い多様だったメニューが平準化されることなどが課題となる。
今井弁護士は「全体的にきちんとなされており、(今回の指摘した点も)すでに問題意識を持って取り組んでいるものの、難しい問題なので解決に至っていないという課題が多い」と評価する。
そして「私自身新潟市出身で、(今回の調査で)子どもが少なく、校舎も老朽化している印象を受けたが、一方でタブレットを活用した授業も始まっている。(時代の)変わり目である今、監査結果を踏まえて現場と事務局が互いに連携し、より良い教育を実現してほしい」と話した。
監査結果は新潟市のwebサイトに公表されるほか、来年度には監査の際の意見を踏まえ改善措置を行い、そのとりまとめも公表される。
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