新潟県三条市が2022年度当初予算を発表、産官学からなる「三条市未来経済協創タスクフォース」創設や広報官の全国公募などを公表

新潟県三条市の滝沢亮市長

新潟県三条市は17日、2022年度当初予算を発表した。一般会計予算規模は461億3,700万円で、対前年度比で△2.6%の減。主な減要因としては、今年度7月に供用予定の図書館等複合施設「まちやま」にかかる投資の減額(△24億4,577万3,000円の減)などがある。

滝沢亮市長は今年度の当初予算のポイントとして「選びたくなるまちの実現」を挙げ、6つの重点施策を掲げる。そのうちの1つである「地域産業の未来をつくる」では、業務の効率化や生産性工業を目的とした市内企業のDX推進事業(1,056万円)や、若手育成のための講座などを行う金属加工産業維持支援事業(519万5,000円)などを盛り込み、総額約6億8,000万円となった。

また今年から、地域産業の将来ヴィジョンや世界経済の潮流の変化に合わせた戦略を策定するため、産業界や2021年に開学した三条市立大学を巻き込んだ産官学からなる「三条市未来経済協創タスクフォース」を創設。夏ごろのキックオフを目指す。

滝沢市長は「三条市は『ものづくりのまち』として高い評価を得ているが、現状維持は衰退と同じであると危機感を感じている。今の時代であれば、世界的にカーボンニュートラルの潮流があり、同時に事業承継や後継者不足の課題もある。このような中で、三条市はどのような方向を進んでいくのか、まずヴィジョンをつくり、それを達成するための戦略を話し合っていきたい」と話した。

隣接する燕市でも、今年度の当初予算においてカーボンニュートラル関連の新規事業を数多く盛り込んでおり、金属加工業の集積する両市の動きには注目だ。

また関連し、市のものづくりや自然・農産物に関して「攻めの情報発信」も展開していくという。昨年はふるさと納税の増額を目指し、全国からマーケティング特任専門員を募ったことで話題になったが、今年度も「戦略広報官(仮称)やSNS担当職員も全国から公募し採用していきたい」(滝沢市長)という。

産業関連以外の重点政策としては、市立学校のトイレ環境の改善や通学路の環境整備を行う「子どもの安全、安心を守る」(約47億3,000万円)、就学援助の拡大や保育士などの処遇を改善する「時代を担う子どもを健やかに育む」(約7億8,000万円)、障害者の雇用の確保などを盛り込む「誰もが自分らしく暮らせる地域社会」(約4億7,000万円)など。

 

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