新潟県初の新型コロナウイルス関連倒産
東京商工リサーチによると、上越市の髙倉商事株式会社が30⽇、新潟地裁に破産申請を⾏ない、同⽇破産手続開始決定を受けた。破産管財人には伊津良治弁護⼠(伊津良治法律事務所、新潟市中央区)が選任された。負債総額は債権者約390名に対し、6億6700万円。
1914(⼤正3)年5⽉の創業。⾐料品の⼩売業を⽪切りに、1948年11⽉に法人化されて以降、事業拡⼤に伴い、卸売業をメインとした営業を⾏っていた。さらに婦人服のほか、宝飾品や健康食品まで扱いを広げ、直営⼩売店出店や不動産賃貸も手掛けるようになり、ピーク時の1989年4⽉期には26億6200万円の売上を計上していた。
しかし、⽐較的⾼額な商品を取り扱っていたこともあり、廉価な海外製品への需要のシフトが進むようになって、徐々に販売低下が進み、近年の売上は約7億円にまで減少していた。減収により損益の悪化も続き、⾦融機関への資⾦依存も⾼く、厳しい状態が続いていた中、新型コロナウイルスの感染拡⼤により、⼩売店が外出⾃粛影響を受けたほか、展示会や催事などの中⽌も相次ぎ、業況悪化に拍⾞がかかり、今回の事態となった。
東京商工リサーチの31日時点のまとめによると、全国の新型コロナウイルス関連倒産は全国で19社。全国的には、観光や飲食関連の倒産が多かった。高倉商事の負債額は、明らかになっている中では全国で3番目の規模。
高倉商事と同じく、繊維製品を扱うある業界関係者は、「消費税アップと暖冬、また新型コロナウイルスの影響で業界は厳しい」と述べていた。