新型コロナウイルスの特別労働相談窓口の状況などについて、新潟労働局が説明

新潟労働局の奥村伸人局長

新潟労働局は31日、2月の一般職業紹介状況とともに、新型コロナウイルス感染症の発生及び感染拡大による県内経済への影響や、2月14日に設置された新潟コロナウイルス感染症の影響による特別労働相談窓口への相談件数などについて説明した。

主な数値として有効求人倍率(季節調整値)は1・49倍と前月比で0・04ポイント低下し、平成29年7月以来31カ月ぶりに1・4倍台となったものの引き続き高い水準を維持した。新規求人倍率(季節調整値)は2・19倍と前月比で0・24ポイント上昇した一方、正社員の有効求人倍率(原数値)は1・29倍と、前年同月比で0・05ポイント低下した。新潟県内での新型コロナウイルスの発生が2月29日だったこともあり、2月末段階での新型コロナウイルスの影響は限定的で、米中貿易摩擦に伴う海外経済情勢の変化や暖冬・小雪の影響の方が大きいという。

こうした状況を受け、新潟労働局は県内の雇用情勢について、改善が進んでいるものの、求人に弱い動きがみられる中で、新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に十分注意する必要があるとの認識を示した。ただ、3月以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が直接表れてくると見込まれ、新潟労働局は引き続き、雇用調整の動きが見られるようならば雇用の維持を最優先に支援を行っていくとした。

また、新潟労働局では2月14日以降、雇用環境均等室や新潟労働基準監督署、ハローワーク新潟に、新型コロナウイルス感染症の影響による特別労働相談窓口を設置した。この特別労働相談窓口には、3月27日時点で計1617件の相談が寄せられているという。

特に、新潟県内で新型コロナウイルスの感染が確認された2月29日以降に相談件数が増加しており、3月の第1・2週には相談件数が1日当たり100件を超える日もあったほか、現在1日当たり平均50~60件で推移しているという。

寄せられた相談の中には、雇止めに関する相談が約20~30件、内定取り消しに関する相談も約10件あったという。このうち、労働局が企業側に働きかけほとんどが解決したものの、31日時点で最終的に内定取り消し回避に至らなかった案件が1社1人あり、この学生に対しては早期に就職が決まるよう、ハローワークで個別に就職支援を行っているという。

また、最も多い相談内容は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例に関するもので約1千件にのぼる。業種別でみると、製造業、飲食業、宿泊業の順で相談件数が多く、これまで利用実績のない中小零細企業をはじめ、イベント・懇親会等の自粛で影響を受けている事業者や学校などの食材を扱う給食事業者、中国からの部品・部材の供給がないことで影響を受ける事業者など多岐にわたっている。

具体的な相談内容は制度の仕組みをはじめ、受給に必要な書類の種類や受給額の確認などだという。このほかの相談内容としては、新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金の申請や休業中の間の従業員に対する賃金に関する相談などがあるという。

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