日銀新潟支店が、新潟県内の金融経済動向および短観を発表
日本銀行新潟支店は1日、2月の金融経済動向、および新潟県企業の短期経済観測調査(以下、短観)を発表した。
日銀新潟支店による金融経済動向の基調判断としては、「回復が滞っている」というもの。2月は輸出が弱めの動きとなったほか、主に乗用車の新車登録・届出台数や旅行取扱高の低調により、個人消費の回復が弱まった。設備投資、住宅投資は前年比で横ばいで、公共投資は県や国による発注増加により、前年を上回った。
一方の、景気の現状や先行きについて、企業に3か月に1度聞く調査である短観については、新型コロナウイルスの影響を色濃く反映したものとなった。
短観の調査は2月25日から3月31日の間に実施され、県内の製造業133社、非製造業147社の計280社から回答を得た。結果、最近の業況判断D.I(景気が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値)が製造業で▲27%ポイント、非製造業で同▲10%ポイント。全産業では同▲18%ポイントに。製造業、非製造業、全産業のいずれも、前回2019年12月の調査比では▲6%ポイントの悪化。
また先行きの業況判断D.Iでは、製造業が▲33%ポイント、非製造業が▲30%ポイント、また全産業では▲32%ポイントに。同数字はいずれも、前回の調査との比較でマイナスが大きく拡大しており、新型コロナウイルスの感染が拡大したここ3ヵ月で、先行きの見通しが急速に悪化したことを色濃く反映したものとなっている。
個別の業種で特筆すべきは、「宿泊・飲食サービス」。短観の調査に回答した全企業が、先行きの業況判断D.Iで「悪い」と回答した(▲100%ポイント)。県内で温泉旅館を営む企業やその取引先金融機関からは、「3月に入っていた予約はほとんどキャンセルになったが、かといって新型コロナウイルスの感染拡大と自粛の流れで、大々的な誘客も難しい」と、苦しい現状を表す声も上がっている。