加茂市の有本電器製作所がAI音声認識を用いた作業日報入力システムを運用開始
各種金属部品加工を手掛ける有本電器製作所(新潟県加茂市)は今年1月、AI音声認識を用いた作業日報入力システムの運用を開始した。同社は新潟県工業技術総合研究所の協力を得ながら、介護福祉分野でAI音声認識入力システムの導入実績があるIT企業のラネクシー新潟オフィス(新潟市中央区)とともにシステムの構築を行い、令和元年度の新潟県AI・IoT導入促進補助金を活用するなどして、着手から約1年の期間を経て運用にこぎつけた。
この作業日報入力システムのメリットは、「操作スキルが不要・シンプルな処理・高精度な音声認識」の3点だ。これにより、端末操作に不慣れな従業員でも容易に利用でき、1問1答形式で進むため迷うこともなく、AI技術により事前の学習などなしにシステムを利用できる。実際、有本電器製作所では現在、約9割の従業員がこの作業日報入力システムを活用しているという。
具体的な利用方法としては、その日の業務内容について、製品の製造番号や使用した工作機械・実施した人のコード、開始時間、終了時間、製造量などについて端末に向かって報告する。これにより、有本電器製作所では1日当たり約100件、1か月で約2500の工程がデータ化される仕組みだ。
システム導入の効果について、有本電器製作所の担当者は、「全ての加工工程が終了するまで1か月近くかかるケースもある中、こうした工程の進捗状況が日々確認できるようになった」と話した。また、加工に要する時間や機械にかかる負荷などが細かく数値化され、これまである程度感覚に頼っていた業務が可視化されたため、これら蓄積したデータを分析し、更なる付加価値を生み出すことが今後の目標だという。
【企業概要】
会社名/有本電器製作所
住所/〒959-1384 新潟県加茂市寿町5-25
TEL/0256-52-1361
URL/http://arimoto-d.jp/