県独自の経済対策に国の臨時交付金の活用を検討、新潟県の花角英世知事が定例記者会見
新潟県は15日、定例記者会見を開催した。会見では新型コロナウイルス感染症の拡大に関して県独自の経済対策や緊急事態宣言を出す目安、佐渡市長選の結果などに関する質問が相次いだ。
新型コロナウイルス感染症に関する県独自の経済対策について、花角知事は、金融面に関して資金繰りなどの支援を既に行っているとしたうえで、事業・雇用の継続、生活支援といった点に関して「給付面で、国の緊急経済対策に上乗せして、どういった支援ができるか検討していく」と話した。
特に、政府が7日に打ち出した緊急経済対策に盛り込まれた1兆円規模の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(仮称)について、現時点で詳細が明らかになっていないものの、この臨時交付金を原資として、中小企業の事業者への協力金に充てることは十分にあり得るとした。類似の臨時交付金はリーマンショック時にも出たことから、県の各部局では当時を参考にしながら対応しているという。
この臨時交付金への期待について、花角知事は「1兆円という金額が各都道府県に分配すると額として十分かという問題はある。また、用途に柔軟性を出してほしいという気持ちもあり、様々な利害もあり調整は難しいと思うが、早期に中身を出していただきたい」と話した。
また、国内で県独自の緊急事態宣言を出す自治体が出ている中、新潟県がこの宣言を出す場合の目安については、感染者の急激な増加や、感染経路の不明なケースの割合の高まり、他都市と比較したときの感染者が倍増するまでの日数がポイントとなるとした。さらに、県は専門家のアドバイスを受けながら、いつ事態が急変しても対応できるよう、宣言を出すにあたっての事前準備を進めているという。
一方、12日に行われた佐渡市長選挙で無所属新人の渡辺竜五氏(元佐渡市総合政策課長)が当選したことについて、花角知事は「佐渡市民の皆さまの選択の結果であり、お祝いを申しあげたい。しっかりとコミュニケーションをとって課題の解決に取り組んでまいりたい」と話した。また、渡辺氏について、園芸農業の生産拡大を始めとする幅広い分野でコミュニケーションを取りやすい人物と評し、「県全体の発展のためにも共にやっていきたい」と話した。
このほか、新潟の人口減対策に関する取り組み、県庁内でのテレワークに関する進捗などについて質問があがった。