新潟県が第7回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催

第7回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議。挨拶を行う新潟県の花角英世知事

新潟県は17日、県の関係部局長や市の担当者などで構成する第7回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催した。

冒頭、新潟県の花角英世知事は、県内で感染経路が追えない事例が増加していることや、16日に政府が本県を含む全国に緊急事態を宣言したことに触れ、「最低7割、極力8割程度の接触機会の低減を目指す強い姿勢が示された。県民の皆様に感染の拡大防止に向け、より一層の強い行動自粛の協力をお願いしければならない段階に入った」と話した。また、17日に開催された第1回新潟県医療調整本部の全体会議において、大幅に患者が増加した際に対応可能な医療提供体制や各医療機関の受け入れ態勢・連携体制の整備について協議し、県内の医療機関が一致団結して取り組んでいくことが合意されたとし、同調整本部の対応を踏まえ、感染拡大防止に向けて全庁を挙げた連携・協力を呼び掛けた。

会議終了後、ぶら下がりに応じた花角知事は、新潟県民や県内の事業者・学校設置者などに向けて、7項目からなる「県民の皆様へのお願い」を発表し、一層の行動自粛を呼び掛けた。

首都圏で行われているような店舗の営業自粛や時短営業の要請こそ盛り込まれていないものの、県内の学校設置者に対しては臨時休校を、事業者にはさらなる在宅勤務や感染防止策の徹底等を呼び掛けるなど、これまで以上に踏み込んだ内容となっている。この呼びかけと並行して、各市町村教委には、特措法に基づく形で、知事から学校の臨時休校を呼び掛ける通知が出されており、私立学校などについては県の総務管理部で対応するという。このほか、県庁でも来週月曜から順次、時差出勤や在宅勤務をはじめとする感染防止対策が実施される。

ただ、学校の臨時休校の開始時期や終了時期については、小学校低学年・中学年児童の待機場所の確保などに関して各地域で対応に要する期間が異なるといった事情から明示されていないという。最終的には、各市町村において、国の方針も踏まえつつ、地域の実情に即した対応になる見通しだ。

一層の行動自粛を呼び掛けたことについて、花角知事は「県民の皆さまの生活に関して強い行動自粛をお願いする以上、深刻な影響が出ると思っている。この局面ではとにかく人の動きを減らすことが感染拡大を予防する最大の措置であり、我慢して皆で乗り切ろうという心からのお願いだ」と話した。店舗の休業や時短営業を要請するタイミングなどについては現在、検討中だという。

手話通訳士を交え、7項目の新潟県民へのお願いを行う新潟県の花角知事

会議終了後の説明の中で、新潟県は17日に行われた第1回新潟県調整本部会議の全体会議などについて説明した。

第1回の全体会議では、ピーク時に向けた医療提供体制に関する議論が多くを占め、国が予測するピーク時の患者が発生した場合や県内の当面の対応についての考え方を整理し、県内で一丸となって取り組む旨を改めて確認したほか、軽症者や無症状の患者を受け入れるホテルの準備状況や医療資機材の供給体制についても概ね理解を得たという。

このうち、ホテルに関しては、新潟市と連携して既に複数のホテルと調整に入っており、患者の増加具合を見て、必要ならば来週にも稼働させ、症状が落ち着いた人や発症早期の軽症者を受け入れる施設として稼働させる見通しだ。もっとも、現時点では病床数に余裕があるため、全ての患者を病院に入院させ、感染防止と治療に専念してもらう方針に変わりはないという。

次回の全体会議までの課題としては、各圏域でどの病院がどの程度患者を受け入れるかといったことを取りまとめることが挙げられ、これら各圏域での議論を踏まえて、次回の全体会議で県全体の患者の受け入れ体制が協議される見通しだ。

説明を行う新潟県

このほか、新潟大学大学院の齋藤玲子教授は、緊急事態宣言が全国に拡大されたことについて、対応に地域差があると患者が多い場所から少ない場所に移動し、感染拡大が長期化するため妥当な措置とした。このうえで、新潟県内の感染状況について、「若い人への感染の広がりを見ると、フェーズが変わりつつあると感じている。活発に活動する若い人への感染が増えると感染経路が追いにくくなり、非常に憂慮すべきこと。年代は様々だが疫学リンクを追えない方が増えていることも感染拡大の予兆と重く受け止めている」と話し、3月のはじめと状況が変わりつつあり、市中感染の可能性が出てきているとの認識を示した。

新潟大学大学院の齋藤玲子教授

なお、第7回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議では、16日の国の基本的対処方針の改正を受けて県の基本的対処方針も改められた。

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