新潟県小中学校PTA連合会が花角英世知事に要望書
新潟県小中学校PTA連合会は17日、新潟県の花角英世知事に「新型コロナウイルスの感染拡大防止と安全な教育環境の確保を求める要望書」を手渡すとともに面談を行った。
要望書は、「児童生徒の感染防止への配慮」、「休校に伴う教育活動の遅れに対する適切な対応」、「児童生徒の精神的不安に対する相談体制の整備」、「感染者に関わる児童生徒の人権への配慮」を求める内容。
要望書を受け取った花角知事は、「ご父兄として、子供達の安全に不安を感じることは十分わかる。一方で、小中学校は基本的には市町村の教育委員会の判断になるが、県内の市町村の中でも休校にしているところは出てきているなか、子供達の学びの機会というものをできるだけ確保してあげたいという気持ちもわかる。県として、夕方、対策本部を開いて、国の緊急事態宣言という状況を踏まえ、学校の休校について、どういう対応を市町村に要請するか議論することになっている」とした上で、「もう一段、感染拡大防止に踏み込んだ対応を取っていかなければならない状況と思っている」と話していた。
一方、「休校が進んでくると(児童生徒の)ストレスも溜まる。また、(感染者に関わる児童生徒への)心ない中傷やいじめなどがSNS上で出てきているので、そうしたことについて県民への呼びかけをしっかり行っていかなければならないと思っている」と話していた。
新潟県小中学校PTA連合会の板倉久徳会長は、「(保護者の中には)休んでほしいという気持ちと、休むと(保護者に)負担がかかるという現実がある。また保護者も学校の先生も、できるだけ活動させたいという気持ちと、感染抑止をしたいという気持ちがある。バランスが難しく、判断が苦しい場面のあると思うし、基本的には市町村の判断になると思うが、県でも方向性を是非出していただきたい」と要望していた。また太刀川歩美副会長は、「先生方も子供達の命を預かっているという思いで一生懸命頑張っていただいている。また休校になった分の遅れをどうやって取り戻すかについても保護者に説明していただいている。生徒も保護者の大変だが、先生方も頑張れるような対策をとっていただけると学校生活も円滑に進むと思う」と要望していた。
面談後、記者たちの取材に応じた板倉会長は、要望書が休校を求める踏み込んだ内容にならなかった理由について、「休校は感染拡大を防止するうえでは大事なことだと思うが、すぐ休校すると、約10万3000人の会員数の中にあって、困る家庭もあるし、色々な考えがある。一つの意見として休校となかなか言えなかったところがある」と述べていた。さらに、「何が正しいのは終わってみないと判断できないのではないかと思うが、安全な学校生活を送れることを最優先に、ベストな対応をとっていただきたいと思う」と語っていた。