佐渡市の渡辺竜五市長が市長就任会見。「市民に意見を反映した市政に取り組む」
12日に投開票が行われた佐渡市長選挙で初当選を果たした渡辺竜五市長が20日、市長就任会見を行い、「新型コロナウイルスの対策をしっかりと取り組んでいきながら、(選挙で)約束した市民の意見をしっかりと市政に反映していくことに取り組んでいく」などと抱負を述べた。
前市長が慎重な姿勢を打ち出していた新庁舎の建設については、「防災の問題が全国的、世界的になっている中、防災面で現庁舎は大きな課題がある。また1階の市民サービスには、個室がなかったり市民相談窓口が通路になっていたりと個人のプライバシーを守りづらくなっている。こうした課題を検討したうえで、(まずは)市民に皆様の意見を聞いていく仕組みを作っていきたい」と語った。具体的には、財源や将来負担など精査し、正しい情報を提供した上で、より多くの意見を聞くことができる市民アンケートなどを、できるだけ早い時期に行うことを検討している。
公共施設の個別施設計画については、「794施設のうち、具体的な対応が決定しているのは24施設で、ほぼ決まっていない。ワークショップなのか委員会形式なのかは現在調整中だが、市民の意見を反映していきたい」と話していた。
佐渡汽船ジェットフォイルの新造費用支援については、「今の状況を考えると新造の必要性はあると思う。昨年12月、県知事と市長が相談したが、その意見や議会の意見を踏まえ、議論していきたい」と話した。
新両津病院を現計画のまま建設するのかどうかについては、「病院の規模や財政的シミュレーションの再検証、佐渡地域医療調整会議での再検証を行っていく。私自身、新病院は必要だと思う。その(建設の)方向に向けてコンセンサスの形成に取り組んでいく」という。
滑走路の長さが890メートルの佐渡空港でも離発着が可能なATR機を使った(トキエアの進める)新規空路構想への関わりについては、「現状、(トキエアから)県や市に出資の要請はない。事業計画を見て県と足並みをそろえて対応していきたい」と語る一方、「現行の佐渡空港を活用した空路再開を県と市で確認しているほか、空港の拡張計画についても並行して取り組んでいく方針と聞いている。佐渡空港2000メートル化の実現に向けて早急に地権者へ挨拶に行きたい」と話していた。
第2次将来ビジョンについては、「中身まで踏み込んだ議論はなく、時期的なものもあり棚上げされているという認識。私が選挙で掲げた方針も含めてもう一回見直し、時間をかけながら、市民の意見を反映して見直していきたい」と語っていた。
コロナ感染拡大の伴う、経済対策については、「雇用調整助成金の対応を急ぎながら、国の交付金を活用し企業の経営を支援していきたい」と話していた。スケジュールとしては4月臨時議会に補正予算を提出するほか、5月早々にもう一度議会を招集し、国の交付金を活用した事業関連の予算案を提出したいという。
なお佐渡では、3月22日に、宿泊施設や観光施設に対する今年6月までの新型コロナの影響を発表、さらに、この記者会見で「すでに30か所以上の観光立ち寄り施設が休業や時間短縮を行っているほか、6月末まで修学旅行など団体旅行がゼロである」(担当課)ことを明らかにした。
(参考・3月22日発表資料)
https://www.city.sado.niigata.jp/admin/press_release/pdf_conference/2020/m03.pdf
このほか、不適切な手続きがあった佐渡文化財団への補助金の是非、市議会との関係についての質問があった。